令和7年度秋田県立大学卒業式・大学院修了式を執り行いました
令和8年3月24日(火)、柔らかな春の光が差し込む秋田キャンパスにおいて、「令和7年度秋田県立大学卒業式・大学院修了式」が執り行われ、学部生365名(システム科学技術学部216名・生物資源科学部149名)、大学院生88名(システム科学技術研究科58名・生物資源科学研究科30名)が決意と希望を胸に卒業・修了し新たな一歩を踏み出しました。鈴木 健太 秋田県知事をはじめ、多数のご来賓並びに保護者の皆様方のご臨席いただき厳かな雰囲気で式は進行し、福田裕穂学長から各学部及び各研究科の代表学生に学位記が授与されるとともに、本学を巣立つ卒業生・修了生に向けて式辞を述べ、卒業生・修了生の新たな一歩を祝いました。
福田学長は告辞の中で、「変化の激しい現代社会において求められるのは、正解を覚えている人ではなく、問い続けることのできる人です。秋田で学んだ人と人との支え合いを土台に、地域課題の解決が世界の希望につながることを意識し、自ら未来を創り出してほしい。本学のビジョン2033に掲げる『タフさ』『優しさ』『挑戦性』を胸に、それぞれの道を力強く歩んでください」と述べ、学生たちを激励しました。
また、卒業生を代表してシステム科学技術学部 建築環境システム学科の鈴木 菜月さんは、マスク姿で迎えた入学当時の不安や、仲間と切磋琢磨した日々を振り返り、「何度も挫けそうになり、夢を諦めようと考えた時期もありました。それでも、支えてくれた先生や仲間がいたからこそ、今この場所に立つことができています。秋田県立大学で得た経験を糧に、社会に貢献できるよう自信と責任を持って邁進してまいります」と、未来への決意を述べました。
式の終了後、名残惜しそうに友人や後輩と記念撮影をしたり、恩師へ感謝の言葉を伝えたりする姿がいつまでも続いていました。秋田の地で根を張り、大きく成長した卒業生の皆さんが、それぞれのフィールドで鮮やかな花を咲かせることを、教職員一同心より願っております。皆様の新しい門出を心よりお祝いいたします。
■福田裕穂学長式辞
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卒業証書・学位記授与
卒業証書・学位記授与
卒業証書・学位記授与
学生表彰
学生表彰
学生表彰
学長告辞
来賓祝辞 鈴木秋田県知事
送辞 応用生物科学科 仲村 朱織さん
答辞 建築環境システム学科 鈴木 菜月 さん
学歌斉唱
学歌斉唱
学長式辞
本年度、システム科学技術学部において216名、生物資源科学部において149名が学士号を取得し、大学院システム科学技術研究科では56名が修士号、2名が博士号を、生物資源科学研究科では28名が修士号、2名が博士号を取得され、本日ここに大学を卒業、大学院を修了されます。ここに、晴れて卒業の日を迎えられた皆さんに、心よりお祝いを申し上げます。本日は、皆さんが秋田県立大学において積み重ねてこられた努力の結実の日であり、同時に新たな人生の出発点でもあります。講義室での学び、研究室での探究、友人との語らい、課外活動での挑戦――その一つひとつが、皆さんを大きく成長させてきました。時には思い通りにいかないことや、将来への不安に向き合う日もあったことでしょう。それでも皆さんは、悩みながらも挑戦を重ね、仲間と支え合いながら、本日という節目にたどり着かれました。ここに至るまでの努力に、心から敬意を表します。また、本日ここに立つ皆さんの歩みの背後には、常に温かく支え続けてこられたご家族の存在があります。保護者の皆様におかれましては、長年にわたり深い愛情をもってお子様の成長を支えてこられました。本学に大切なお子様をお預けいただき、温かく見守ってくださいましたことに、大学を代表して心より感謝申し上げます。本日の晴れの日は、保護者の皆様にとりましても、ひとしお感慨深いものであろうと拝察いたします。誠におめでとうございます。
本日卒業される皆さんにとって、大学での学びは、単に知識や技能を身につけることにとどまりません。多様な価値観と出会い、対話を重ね、自ら問いを立て、考え抜く力を養うことにこそ、その本質があります。変化の激しい現代社会において求められるのは、正解を覚えている人ではなく、問い続けることのできる人です。どうか本学のビジョン2033に掲げる「タフさ」「優しさ」「挑戦性」を胸に、それぞれの道を力強く歩んでください。これから皆さんは社会へと羽ばたきます。そこには、正解のない問いや前例のない課題が待っています。これまでのように「答え」が用意されているとは限りません。だからこそ、自ら考え、決断し、行動する力が求められます。失敗を恐れて立ち止まるのではなく、不完全であっても一歩を踏み出す勇気を持ってください。
本田技研工業の創業者である本田宗一郎氏は、次のような言葉を残しています。「チャレンジして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れろ。」本田氏は生涯にわたり挑戦を続けた人物でした。挑戦には必ずリスクが伴います。しかし、挑戦しなければ成長も出会いも生まれません。失敗は終わりではなく、次の工夫を生み出す出発点です。転んだ数だけ視野は広がり、人の痛みも理解できるようになります。皆さんを待つ社会は、決して平穏なものではありません。世界では分断が進み、価値観や立場の違いが対立を生み、それが時に紛争や戦争へと進んでしまうこともあります。そのような時代にあって若い皆さんに求められるのは、違いを恐れるのではなく、違いを理解し、対話を重ね、共通の未来を探ろうとする姿勢です。
皆さんが学んだ秋田の地は、豊かな自然と地域社会のつながりの中で、人と人との支え合いの大切さを教えてくれました。秋田県立大学は、地域に根ざしながらも世界に開かれた知の拠点として、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。それは大学の目標であると同時に、ここで学んだ皆さん一人ひとりへのメッセージでもあります。地域課題の解決は、世界課題の縮図でもあります。足元を見つめ、現場から考え、そして世界へと視野を広げていく。その往復運動こそが、これからの社会に求められる力です。どうか、自らの成功のみを目標とするのではなく、自らの働きが誰かの安心や希望につながっているかを問い続けてください。地域社会に寄り添いながら、世界の課題にも目を向ける。その挑戦する姿勢が、分断を乗り越える力となるはずです。
また、これからの社会を語るうえで、AIの存在を避けて通ることはできません。AIは仕事を奪う存在ではなく、使いこなす者にとって可能性を拡張する道具です。情報収集、データ分析、企画立案、研究開発、地域課題の可視化など、多様な分野で活用が進んでいます。しかし重要なのは、AIに判断を委ねるのではなく、最終的な責任と倫理観は人間が担うということです。皆さんには、本学で培った専門知識と人間的洞察力を土台に、AIを「共創のパートナー」として活用してほしいと願っています。問いを立てる力、価値を見極める力、そして他者への想像力こそが、AI時代における人間の強みです。
最後に、皆さんにお伝えします。未来は予測するものではなく、創り出すものです。皆さん一人ひとりの選択と行動が、社会の方向を形づくります。挑戦を恐れず、学びを止めず、仲間と支え合いながら歩んでください。本日ここに集う皆さんの前途が、希望と挑戦に満ちたものであることを心から祈念し、告辞といたします。ご卒業、誠におめでとうございます。卒業生のご家族の皆様、ご来賓の皆様、本日は秋田県立大学の卒業式・大学院修了式にご出席いただき、誠にありがとうございました。
令和8年3月24日
学 長 福田 裕穂
