【いつでも青春キャンパス】五木寛之さん公開講演会を開催しました

 令和7年8月6日(水)、あきた芸術劇場ミルハス・大ホールを会場に、本学と秋田魁新報社が連携・展開する生涯学習プログラム『いつでも青春キャンパス』の一環として、作家・五木寛之さん(92歳)」の講演会、およびシニア大学生の自己紹介や研究の成果発表を行いました。

 五木さんは集まった約1,900人に向け、先人たちが大事にしてきた悲しみや憂いの感情を見つめながら生きることの大切さを訴えました。ポルトガル語の「サウダーデ」やロシア語の「トスカ」、日本語の「暗愁(あんしゅう)」など、悲しみや憂いを意味する言葉を列挙し、古から世界中の人が大切にしてきた尊い感情であると説明しました。「暗愁」という言葉は、心が暗くなるような悲しい思いではなく、明治時代に多くの人があたかも流行語のように用いた言葉で、森鴎外の紀行文や伊藤博文の俳句、大正天皇の作られた漢詩などの中にも出てくる言葉であると解説しました。

 五木さんは、「現代社会では、前向きに、明るく、元気に、プラス思考で生きることを強制され、後ろ向きな感情を排除する傾向にある。前に進むことも後ろに進むのも人生の同じ動きの一つ。後ろ向きな感情ともじっくり向き合うべき。決して強く生きなくともいい。自分の心の中に「暗愁」が棲んでいることを自覚し、泣くべき時にきちんと泣けるみずみずしい感情を持っている人間が尊いのではないか。」と語りかけました。

 講演中、五木さんはただ文学や思想を語るだけでなく、人生の機微や時代の流れを見つめながら、人間味あふれる語り口で聴衆を魅了しました。時折、ご自身の失敗談やユーモアを交えながら語られることで、難しいテーマも身近に感じられ、聴衆は終始、お話に引き込まれていました。
 

 

【満員御礼】ご来場ありがとう ございました

人間味あふれる語り口で聴衆を魅了しました

シニア大学生 自己紹介(三期生)

シニア大学生 研究報告(二期生)

 本講演会に対し定員を大幅に上回るお申し込みをいただいたため、厳正なる抽選を行わせていただきました。今回はご期待に沿えなかった方もいらっしゃるかと存じますが、何卒ご了承いただけますようお願い申し上げます。お申し込みいただいた皆様に、心より感謝申し上げますとともに、またの機会にお会いできることを楽しみにしております。