潟上市立天王南中学校の1年生が模擬講義を受講しました

 10月21日(火)、潟上市立天王南中学校の生徒100名が秋田キャンパスを訪問しました。今回の訪問は、中学校3年間を通して展開されている「総合的な学習の時間」の一環として行われたものです。
 潟上市立天王南中学校では、地域に根ざした学びを通じて、生徒が自分たちの住むまちに誇りと関心を持ち、食・観光・環境などの視点から「今あるものを生かして、潟上市に一つだけ作るとしたら?」という探究課題に取り組んでいます。本学からは、その学びの一助として「潟上市の自然環境」について理解を深めてもらうための2つの講義を実施し、生徒の皆さんに受講いただきました。

模擬講義①「八郎湖流域における窒素の循環と河川への流出」

 はじめに、生物環境科学科早川敦教授[専門:生物環境化学]による講義「八郎湖流域における窒素の循環と河川への流出」を受講しました。
講義では、秋田県内の流域の特徴や人口の変化、窒素の割合など、社会や理科の学びに関連する身近なテーマをクイズを交えながら紹介。楽しみながら、窒素が河川環境に与える影響やその課題について理解を深めました。
 また、事前学習として提示していた「窒素肥料の役割と肥料の行方について調べてみよう」という課題に対して、「肥料は自然に還っている」「大気中に戻る」など、それぞれが調べた結果を発表。早川教授からは、農業における窒素の役割や、作物に吸収されなかった窒素が河川や湖に流れ出すことで水質に影響を与えている現状について説明がありました。
 さらに、教授が実際に研究している「河川流域における物質循環」の仕組みについても紹介。身近な河川を例に、自然と人の活動のつながり、そして持続可能な食料生産のあり方について考えるきっかけとなりました。
 

模擬講義②「馬踏川流域におけるアオコ問題とアオコの防除について」

 続いて、生物環境科学科岡野邦宏准教授[専門:微生物生態学]による講義「馬踏川流域におけるアオコ問題とアオコの防除について」を受講しました。
 はじめに岡野准教授が「アオコを見たことがある人?」と問いかけると、多くの生徒が手を挙げ、身近な環境問題として関心の高さがうかがえました。事前学習として取り組んでいた「アオコとは何か、その発生要因について調べてみよう」という課題に関して質問を交えながら、潟上市を流れる馬踏川流域でのアオコ発生の現状を紹介。アオコの生活環や発生のメカニズムをわかりやすく解説し、アオコ問題が馬踏川だけでなく、世界的にも深刻な環境課題となっていることを伝えました。
 さらに、岡野准教授が行っているタテボシガイ(ヤマトシジミ)を活用した水質改善の研究や、八郎湖における二枚貝の生息状況についても紹介。生徒たちは、貝による自然浄化の仕組みや、環境を守るために自分たちにできることについて真剣に考えていました。
 先に受講した早川教授の「八郎湖流域における窒素の循環」に関する講義とあわせて学んだことで、生徒の皆さんは潟上市の水質環境や環境問題を、より身近で自分ごととして捉える機会になったようです。

 今回の模擬講義が、生徒の皆さんの発想を広げ、課題に取り組むうえでの新たな気づきや視点を得るきっかけとなり、地域の未来を主体的に考える力を育む一助となりましたら幸いです。
 天王南中学校1年生の皆さん、ご来学いただきありがとうございました!