【キャップストーンプロジェクト】先端技術で阿仁の歴史文化を未来へ(宮越商店・NTT東日本秋田支店)
~地域資源を活用した地域活性化につながる観光戦略の立案、コンテンツ開発~
経営システム工学科×宮越商店・NTT東日本秋田支店
このプロジェクトの一環として、システム科学技術学部経営システム工学科の学生グループ(指導教員:嶋崎 真仁 教授[専門:社会システム工学])は、「地域資源(歴史資源・自然・文化)を活用した地域活性化につながる観光戦略の立案、観光コンテンツの開発」というテーマで、北秋田市阿仁地区の課題解決に挑戦しています。
学生たちは、AIやICTといった先端技術を駆使して、観光客の誘客と地域活性化を目指しています。その取り組みの一つとして、令和7年11月25日には、かつて江戸幕府・徳川吉宗の時代(1716年)に銅産出量が日本一を誇った産業遺構「阿仁鉱山」の歴史を伝える「阿仁異人館・伝承館」を訪問しました。
Matterportによる3Dスキャン
館内143カ所をMatterport(マーターポート)を用いて撮影しました。この技術は、現実空間を3Dスキャンして、バーチャルツアーを作成するためのプラットフォームで、PC、スマートフォン、タブレット、VRゴーグルなどから、作成された3D空間内を自由に歩き回ることができます。動画と異なり、ユーザーが見たい場所、見たいアングルを自分で選べるほか、4Kなどの高画質で空間のデジタルツインが作成されるため、床や壁の質感など細部までリアルに感じられ、インタラクティブな体験が可能になります。郷土歴史研究家・戸島喬氏から貴重な証言を聴取
阿仁地区の正しい歴史認識を後世に伝えるため、学生たちは郷土歴史研究家の戸島 喬(としま たかし)さんに聞き取り調査を行いました。戸島さんからは、主に阿仁鉱山を中心とした文化や伝承について、地域の方も知らないような大変貴重な証言を得ることができました。学生たちは今後、この聞き取り調査で得られた内容を深く掘り下げ整理し、AIを駆使して説明できるようにしたうえで、撮影した3Dデータと連携させたプロトタイプを作成します。郷土歴史研究家の戸島 喬 さん
(謝辞)
今回の「阿仁異人館・伝承館」の館内撮影にあたり、休館日の開放と、通常は撮影が禁止されているにも関わらず特別にご厚意を賜りました北秋田市に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
公式X
阿仁異人館・伝承館
明治12年(1879)に来山した鉱山技師メツゲルらの居宅として建築された建物。昭和31年(1956)に秋田県の重要文化財に指定され、平成2年(1990)には国の重要文化財の指定も受けた。のちの洋式建物の象徴といわれる鹿鳴館やニコライ堂より先駆けて建てられた建物。



阿仁小沢鉱山跡 出典:(独) エネルギー・金属鉱物資源機構
