Bear-Tech Solution コンテストを開催しています
近年、秋田県内をはじめとする広範囲でクマの出没が急増し、人身被害が多発しています。これは、地域住民の生活、安全、そして里山環境の維持に関わる、極めて深刻な社会問題となっています。本学ではこの喫緊の課題に対し、柔軟で創造的なアイデアを結集し、テクノロジーの視点から新しい解決策を創出するため、本学の教職員・学生を対象とした「Bear-Tech Solution コンテスト」を開催しています。
現在、クマ対策としてクマ鈴や熊スプレーが普及していますが、これら既存の手法だけでは、人が安心して生活できる環境を確保するには不十分な状況が続いています。本コンテストは、この不十分な現状に対し、柔軟な発想と研究者や地域企業の技術者が持つ最先端のテクノロジーを結集して課題を解決することを目的としています。画期的かつ実用的な「クマ対策ソリューション」を創出し、従来の対策を超えて、人々がより安全で安心して暮らせる社会の実現を目指します。
「Bear-Tech Solution コンテスト」応募要項
募集テーマ
現状を打破し、安心を創出するための、テクノロジー(データ活用、IoT、AI、センサー、ドローン、デジタル技術、音響技術など)や新素材を活用したクマの行動把握・排除・防御・撃退のための具体的なソリューションのアイデア。対象
本学の教職員・学生 ※地域企業や公設試の技術者などを含む産学連携チームでの応募も可能参考:本学の主なクマ対策の研究、実践例
動物忌避用杭(特許第6987179号)木材高度加工研究所 野田 龍 准教授[専門分野:木材工学、森林土木学]
クマと人間の生活域を区分けするため、クマが嫌がる成分を打ち込んだ木製のくいを、横手市の木工メーカー「ウッディさんない」と共同で開発。全国的にクマによる人身被害や農産物の食害が問題となる中、クマが嫌がる唐辛子などの成分を染み込ませた木栓を打ち込んだくいで、人とクマの生活圏のすみ分け、人身被害や農作物被害の軽減が期待されています。
クマの獣道を遮るように設置された忌避柵(果樹園)
木の杭にトウガラシエキスなどをしみ込ませた木栓

横手市の木工メーカー「ウッディさんない」と開発
トウガラシエキスなど配合
藤里町におけるクマ検知システムの実証等 情報工学科 森田 純恵 教授[専門:システムデザイン]
監視カメラの画像とAI技術を組み合わせることで、クマの出没を自動で検知し、関係者や地域住民に情報を提供するシステム。AIがクマの出没を感知した場合、その情報や撮影された画像が、連携するスマートフォンなどの端末に表示され、即座に出没情報を通知されます。現在、地域住民の安全確保に貢献することを目指し、クマと人との接触事故を防ぐための予防対策として検証が進められています。
近距離無線対応カメラを設置する森田教授
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監視カメラで撮影した画像をスマートフォンに表示
鳥獣被害対策ロボ 知能メカトロニクス学科 齋藤 敬 教授[専門:システムデザイン]
鳥獣対策として、鳥獣威嚇・追い払い機能を持つ多脚歩行ロボットと、その技術を応用した搭乗型多脚歩行ロボットの開発が進行中です。量産に向けた機体の簡略化やGPSでの誘導など基本機能はほぼ確立されており、現在、実用化に向けた検証が進められています。
齋藤 敬 教授
鳥獣被害対策ロボット「動物型ロボットかかし」

