「日本短角種」のブランド化に向けたワークショップを開催しました

 生物資源科学部アグリビジネス学科の「家畜資源利用推進プロジェクト」では、アグリイノベーション教育研究センターで肥育している、日本短角種(短角牛)のブランド化を目指し、食肉卸業者の株式会社大門商店らと連携して取り組みを進めています。4月24日には、ブランディングに向けたワークショップを開催し、ブランド名やロゴ作成に向けてディスカッションをしました。

 短角牛は低脂肪・高タンパクのヘルシーな赤身肉が特徴で、一般的な黒毛和種に比べ、穀物よりも牧草などの粗飼料を多く食べ放牧適性に優れています。この特徴を踏まえ、プロジェクトでは、アグリイノベーション教育研究センター内で栽培された牧草・飼料を食べさせ、そのふんを堆肥化し再び栽培に活用するなど、自然環境への負荷を軽減する「資源循環型」により肥育しています。
 

 ワークショップでは、プロジェクトの教職員や学生が4グループに分かれ、自分たちが育てる短⾓⽜のセールスポイントや特徴を付箋に洗い出し模造紙にまとめました。これを踏まえ、ブランド名のネーミング案を話し合い、意見をまとめた上で考案した理由も含め発表しました。(各グループからユニークなネーミング案が出されました。7月に最終発表する予定です!!)

 なお、今回のブランド化は、プロジェクトが確立した「資源循環型」で育てられた本学以外の短角牛にもブランドを活用してもらう方向で検討を進めています。この一連の取り組みを通じて、流通過程で得られた情報や消費者からの意見・感想を、学生教育や研究に還元することにより、さらなる活動推進と畜産振興に繋げることを目的としています。

渡邊潤准教授(家畜飼養管理学)のコメント

 2018年頃までは流通を考慮した飼育方法ではなかったことから、県畜産農業協同組合を通じて市場に出荷してもなかなか良い評価は得られていませんでした。その翌年からは、秋田県産トウモロコシやソバ、小豆かすを活用した肥育試験に着手し、現在では、国産飼料100%での肥育技術を確立し品質が安定したことにより、短角牛ブランド化の機運が高まりました。本学から資源循環型の生産技術を普及することで、秋田県の畜産振興に貢献したいと思います。