本学修了生の修士論文が日本建築学会優秀修士論文賞を受賞

 本学修了生の修士論文が
2024年度(第35回)日本建築学会の優秀修士論文賞を受賞

-建築環境システム学科-

 昨年度まで、システム科学技術研究科総合システム工学専攻、環境計画学研究グループに所属していた修了生・田村成さんの修士論文「冬季の居住環境における乾燥感とシックハウス症状の因果構造に関する研究」が2024年度(第35回)日本建築学会の優秀修士論文賞を受賞しました。

★研究室教員からのコメント★
 本賞は、全国の修士論文を対象に関連分野では23件ほどしか受賞できない極めて名誉な賞です。田村さんには心からお祝い申し上げます。本研究の概要を以下に紹介いたします。本研究では、住宅内で感じる冬季の乾燥感とそれに伴うシックハウス症状(住宅内の環境が原因となる健康への悪い影響)に着目しています。この乾燥感は、1990年代頃から東北地方に高断熱高気密住宅が浸透し始めてから課題意識が共有されていますが、未だその実態や解決策は不明のままでした。そもそも、人体には乾燥を知覚する受容器が存在しないため、低湿度のみが乾燥感の原因ではありません。最終的に、乾燥感とシックハウス症状に関する因果構造モデルを構築し、低湿度以外にも室内空気環境の汚染が原因となり乾燥を知覚すること、その結果、シックハウス症状に陥る可能性が高いことを立証しています。この論文の成果は、質の高い住宅を設計するための意義深い知見を提示しており、日本建築学会において高く評価されました。

★田村さんからのコメント★
 この度は優秀修士論文賞に選出して頂き、大変光栄に思います。今回の受賞は、日頃から熱心にご指導頂いた長谷川先生、松本先生、竹内先生及び、調査・実験にご協力頂いた皆様あってのことだと思います。
また、研究室の同期、先輩、後輩、OBの方々には研究で詰まった時などに手厚いご助力を頂き、研究活動への励みとなりました。この場を借りて御礼申し上げます。社会人としては、まだまだ未熟者ではありますが、本学で学んだことを活かせるよう日々精進したいと思います。本当にありがとうございました。

 なお、表彰式は、2024年度日本建築学会大会[関東]に併せて、2024828()に明治大学駿河台キャンパスにて開催されました。

※日本建築学会のページ(2024年(第35回)をご覧ください)
https://www.aij.or.jp/jpn/sotsuron/pdf/sotu2024.pdf


在学中、研究に取り組む田村さん(令和4年2月撮影)