本学大学院生が技術士一次試験に合格しました

 生物資源科学研究科 生物資源科学専攻 博士前期課程2年生の入江倭斗さん(ルーラルエンジニアリンググループ/農地防災保全学研究室)が令和2年度の技術士(農業)第一次試験に合格しました。

 「技術士」とは技術士法に基づいた登録を受け、自分が専門とする分野において、計画、研究、設計、分析などの業務を行う者であり、その試験は国による資格認定制度(文部科学省所管)を受けています。20部門ある中でも農業部門は分野が広く、1回目の受験で合格したことは非常に喜ばしいことです。第一次試験合格者は「修習技術者」と呼称され、同一技術部門の技術士の補助があることを条件に「技術士補」となる資格を得ることになります。

 入江さんは、建設コンサルタント大手のパシフィックコンサルタンツ株式会社への就職が内定しており、大学院修了後は実務経験を積んで超難関の第二次試験にチャレンジし、技術士を目指します。

☆入江 倭斗さんのコメント
 この度は令和2年度技術士第一次試験 農業部門を合格することができ、大変嬉しく思います。これも試験に関するご指導・アドバイスをくださった指導教員の永吉先生と、パシフィックコンサルタンツ株式会社の堀合さん、加藤さんのおかげでございます。この場をお借りして感謝申し上げます。
 私の内定先企業は、技術士の資格が重要視されており、社会人になってからも技術士の資格取得に向けて、難関の二次試験合格を目指していきたいです。

☆永吉 武志准教授(指導教員)のコメント
 技術士になるためには高度な知識と応用力を身につけていかなければいけないと思いますが、しっかりとした倫理観も備えたエンジニアとして活躍してほしいです。
  ☆入江 倭斗さんの研究
 研究テーマ
 『カワシンジュガイ科貝類の水理特性に関する研究』
  入江 倭斗 永吉 武志 神田 啓臣
  北里大学 柿野亘
  元岩手県高等学校教諭 竹内  基
  パシフィックコンサルタンツ株式会社 堀合 孝博 加藤  譲

 研究概要 
 日本にはカワシンジュガイとコガタカワシンジュガイ、2種のカワシンジュガイ科貝類が生息しています。カワシンジュガイ科貝類は魚類と共生関係にあり、タナゴ類の産卵母貝に位置づけられています。この他にもろ過摂食による河川の水質浄化や、環境条件を反映する指標生物としての役割があり、河川の生態系において重要な種であるのですが、近年、河川改修などによる生息環境の変化によって、個体数が減少しています。
 本研究では、カワシンジュガイ科貝類の保全や再生に対する方策を検討する上で重要な流れによる移送を調べるために、流下応答実験(貝がどれくらいの流速で流され始めるのかを調べるための実験)を行いました。