「炭やきで夕日の松原まもり隊」が日本海岸林学会の地域賞を受賞しました!

 本学の森林科学研究室の星崎和彦教授(生物資源科学部生物環境科学科)が事務局長を務め、本学教員や学生も多数参加しているボランティア団体「炭やきで夕日の松原まもり隊(会長:大場恵二会長)」が、日本海岸林学会(沖縄県)の「地域賞」を受賞し、このほど秋田キャンパス近くの炭やき小屋において、表彰式が開催されました。
 
 「炭やきで夕日の松原まもり隊」は、2002年から、地域住民と本学教員や学生が一体となり、秋田市から潟上市にかけての海岸沿い約16ヘクタールを対象に、松くい虫被害木を特定し、これらを伐採して炭づくりを行い、海岸マツ林の環境保全と木材資源の有効活用などに精力的に取り組んできました。

 現在のメンバーは総勢171名で、海岸林の保全を地域住民、教員、学生が連携協力し実践している点が高く評価され、本章の受賞となりました。まもり隊の一連の取り組みにより、秋田県立大学構内とその周囲の松林は殺虫剤等を使うことなく微害状態に保たれています。

 マツ枯れは体長1ミリに満たないマツノザイセンチュウが原因で、マツノマダラカミキリが媒介して被害を広げます。そこで、まもり隊のメンバーが大学敷地内のマツ林を定期的に見回って被害木を特定し、12月ごろからカミキリが成虫になる6月まで、3週間に1回のペースで炭にしています。

★星崎和彦教授(森林生態学)
「松枯れは完全には防げないが、最新技術を使用せず被害を食い止めてきた。薬に頼らない点が評価されたのではないか。今後も地域と大学が連携し、松原の保全活動を継続させたい。」

★太田和秀さん(大学院 生物資源科学研究科2年)
「受賞で現在の活動モデルが認められた。松枯れは他の地域でも問題となっており、まもり隊の活動が広まるきっかけになれば嬉しい」

★小山献冬さん(生物資源科学部 生物環境科学科3年)
「自分の活動が松原の保全に役立っていると思うと誇らしい。もっと県大生に参加してもらって活動を盛り上げていきたいです。」

 表彰式の後は、メンバー約30人で枯れ木の炭焼きを実施しました。まき割りや窯の火の調節など、それぞれの役割をこなしながら手際よく作業を進めました。3日~5日ほど窯で熱した後、3週間ほど冷ますと炭が完成します。
 

★森林林科学研究室ウェブサイト