公開シンポジウム「秋田県における新たな園芸産地の育成」が開催されました
8月27日(火)、秋田市のカレッジプラザにおいて、本学と園芸学会東北支部の共催による公開シンポジウム『秋田県における新たな園芸産地の育成』が開催されました。当日は、大学等の教育関係者や学生、農業従事者、行政機関、一般市民など、県内外から約100人が参加し、基調講演や先進事例の紹介を通じて、秋田県の園芸農業の取り組みなどについて理解を深めました。基調講演では、山形大学農学部の片平 光彦 教授(農業機械学)から『園芸生産とAI技術』と題して基調講演が行われました。片平教授は、「AIやIoT、ビッグデータといった先端技術と農業技術を融合させることが、農業生産の省力化・効率化に役立つ」、また、エダマメ選別を画像処理とAIで自動化する選別装置についての紹介では、「AIに傷やシミといった規格外品の情報をより多く学習させることで、より精密な選別が可能になる。生産管理に非常に有効なツールであるため、是非、活用してほしい」と述べられました。
秋田県農林水産部園芸振興課の長谷川隆史主幹からは、秋田県における大規模園芸産地の取り組みについて講演いただき、「秋田県は農業産出額に対するコメへの依存度が高い。既存の販売額を維持しつつコメ依存から脱却し、園芸部門の販売額をいかに伸ばしていくかということが課題である。新たな技術や生産方法を導入しコメだけではない魅力的な園芸産地にすることが求められる」と述べられました。
事例紹介では、秋田版園芸産地育成プロジェクトにより高い成果上げているJAあきた白神の ”白神ねぎ” の園芸メガ団地の取り組みや、男鹿・潟上地区のキクの園芸メガ団地における、茎の長さを調整するロボットを導入した”スマート農業”の取り組み、さらには、秋田県における次世代果樹生産システムの取り組みとして、省力化を基本としたモデル経営実証圃の優位性を示し、秋田県の果樹産地強化の方向性について紹介がありました。
本シンポジウムのコーディネータを務めた生物資源科学部の吉田康徳教授(アグリビジネス学科)は、「本県の園芸振興をリードする大規模園芸拠点メガ団地の全県展開のほか、AIやIoTなどIT技術など最新技術の活用がポイントになる。秋田県特有の寒さでも優位性を発揮して、日本に誇れる園芸産地が形成される」とシンポジウムを締めくくりました。
本シンポジウムを契機に、秋田県の今後さらなる園芸振興と活性化に繋がることが期待されます。
本シンポジウムの模様は、AAB秋田朝日放送「スーパーJチャンネル トレタテ!」のニュースの中でも紹介されました。
ニュース映像はこちらをご覧ください。
コーディネータを務めた吉田康徳教授
テレビ局の取材を受ける吉田康徳教授
山形大学農学部 片平 光彦 教授
秋田県農林水産部園芸振興課 長谷川 隆史 主幹
あきた白神農業協同組合 営農部 佐藤 和芳 部長
男鹿・潟上地区園芸メガ団地共同利用組合 吉田 洋平 組合長
シンポジウムの様子
シンポジウムの様子
※一般社団法人園芸学会のウェブサイトにリンク