高大連携授業「不思議な木(来て・見て・作ろう)」を開講しました

 10月5日(土)、カレッジプラザにおいて、高大連携授業が行われ、木材高度加工研究所の4名の教員が講師を務めました。
 当日の授業には、樹木や建築に興味のある高校生の皆さんにご参加いただきました。
 
★第1講:高田 克彦 教授『樹木と木材』
 講義では、自分のお腹を樹木に見立てたり、アニメ「となりのトトロ」の1シーン一を例に、樹木の生長の仕組みを楽しく説明しました。
 また、水に沈む世界で一番重い木など様々な木材サンプルに触れたり、「森林資源の循環の最初は、植林ではなく伐採にある。」ことなど、どれも初めて目にしたり耳にしたりしたことで驚いていました。
 最後は、「樹木や木材の講義を通して、自身の興味が木の科学的な面にあるのか、それとも社会的な面にあるのかなど、自由に考える切っ掛けにしてもらいたい。」とのアドバイスで講義を締めくくりました。
 


高田教授の講義の様子


第2講:足立 幸司 准教授『木を使う、木を曲げる』
 冒頭、ティッシュペーパーと割り箸を使い、どっちを使うことが地球環境に負荷を与えるか計算により検証しながら、「科学は物事の本質に迫ることであり、皆さんはそのような目を養って、根拠の無い情報に盲目的に囚われることがないようになってもらいたい。」とのアドバイスがありました。
 講義では、実際に木材を曲げることにより、物理的に曲がる仕組みや曲げることの有効性を学びました。
 また、毛利元就の三本の矢の逸話が構造計算上から正しかったのか検証したり、実際に「やわらかい木」を作ったりとバラエティに富んだ講義になりました。
 


ラップに包んで電子レンジで加熱
簡単に曲がります!でも、なぜ?


薄い板は熱すると簡単にまがります


「やわらかい木」を作ります
完成品は持ち帰ってみんなを驚かせます!


第3講:栗本 康司 教授 第4講:澁谷 栄 准教授
 栗本教授の講義では、化学の面から曲がる木の原理に迫るため、様々な図式を示して解説しました。
 また、既に古代エジプトでは様々な樹種の曲げ木を利用していたことや、ジャックフルーツの木はシロアリ被害に遭いにくいことなど、木に関する幅広い講義が行われました。
 最後に「根本のことを知っておくと、様々なものに応用できることを覚えておいてほしい。」とのアドバイスで講義を締めくくりました。
 


栗本教授の講義の様子

 引き続き行った実験は、「悪臭物質の吸着」をテーマに、消臭繊維から木炭・木粉まで種類を変えてアンモニアの吸着性能のグラフ化に挑戦しました。「実験は久しぶり」や「こんな器具は使ったことがない」などの声も上がりつつ、栗本教授・澁谷准教授の指導により実験は無事終了し、試験結果が自分の予想と異なったことで驚いたとの感想も出ました。
 


使用する吸着剤の分量を丁寧に計測します


吸着管による濃度測定を行います
皆さん初めて触れる機器とのことです。


初めて見るシロアリ被害の木材です