大気環境学会で「ポスター賞」を受賞しました

大気環境学会で「ポスター賞」を受賞しました
―経営システム工学科―


 平成30年9月12~14日に九州大学筑紫キャンパスで開催された第59回大気環境学会年会において、本学システム科学技術学部経営システム工学科4年の小野瑳恵さんが「ポスター賞」を受賞しました。

 大気環境学会は、国内の環境分野では、最も長い歴史を持つ学術団体の一つとして国内外から高く評価され、日本の大気汚染の改善に関する多大な業績を挙げている学会です。今回のポスター賞は、研究の理解度、表現のわかり易さ、発表姿勢、質疑応答、今後の発展可能性などの観点から評価され、学生・若手社会人の44件のエントリーの中から、4件の受賞の中の一つに選ばれました。
 
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ポスターの前で記念写真

質疑に応じる小野さん(上)と

OBの須藤菜那さん(下)

 
◆学生からのコメント◆
 ポスター賞の受賞タイトルは、『アンモニアガスの粒子化における窒素安定同位体分別係数の算出(小野瑳恵、川島洋人)』です。私達の研究では、PM2.5の前駆物質である大気中アンモニアガスやアンモニウムエアロゾルの窒素安定同位体比を高精度で分析し、その起源や環境中挙動を解明することを目指しています。本研究では、アンモニアガスが粒子化する際、粒子の同位体比の変化量(窒素安定同位体分別係数)を算出しました。粒子は発生源から放出されたアンモニアガスとは異なる同位体比を示すため、窒素安定同位体分別係数の算出は、発生源解析に有用です。今回のような算出法は、国内外で実施されておらず、粒子の作成方法や実験系の組み方などを一から考案しました。

 私は学部2年生から研究室で研究させて頂きました。研究室に入れてもらう時、やる気があって毎日来るなら席とパソコンを用意しようと言って下さりましたが、最初はおろおろしているばかりでした。半年経っても話について行けず、空回りしているようで悔しくてデスカッション中に泣いたこともありました。また、今回、脱窒菌法という手法を用いましたが、脱窒菌の取り扱いは、とても大変で、コンタミや装置の故障などに本当に手こずりました。しかし、一つひとつ原因を解決し、今では、実環境中の低濃度のアンモニアの窒素安定同位体比を高感度に測定することが可能となりました。先生や研究室のメンバーと朝まで眠気と格闘しながら実験した日等、様々なことが、今となっては本当に面白い思い出です。

 今回のポスター賞は、私達の研究室では3回目となります。賞を通して、私たちを応援してくださっている方の存在を改めて感じました。同時に先輩方に引き続きこのような賞を頂き、光栄に思います。発表中は、研究を伝えなければいけないと精一杯であっと言う間の3時間でした。また、研究室を卒業したOBの須藤菜那さんが学会で活躍している姿は、凛として格好良かったです。
 学会中は、大勢の研究関係の方々と毎日お話させて頂きました。研究だけでなく、学生時代のエピソードや歴史など、ざっくばらんに話しかけてくださり、刺激的な時間でした。帰りには水俣市にある水俣病資料館やJNC株式会社(旧:チッソ株式会社)で公害の原点と言える水俣病についても学び、非常に有意義な学会となりました。

 最後に、日々熱く指導してくださった川島洋人先生と日々研究に勤しむ須藤百香さん、尾形來希君、研究室が円滑に回るようサポートしてくださった藤嶋楽さん、中村保典先生、また、研究できる環境をセットアップしてくださった先輩方に深く感謝いたします。
研究室のHPはこちら
 
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鵜野年会長、大原会長から賞状授与川島先生と記念撮影
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JNC株式会社(旧チッソ株式会社)にて

工場見学

 

水俣市の百間排水口