本学教員が「イノベーション創出強化研究推進事業(農研機構)」に採択されました!
本学教員が「イノベーション創出強化研究推進事業」に採択されました
このたび、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構の「イノベーション創出強化研究推進事業」に生物資源科学部の古屋廣光教授(生物生産科学科)及び佐藤孝准教授(生物環境科学科)の研究課題が採択されました。
本事業は、農林水産・食品分野の競争力を強化し飛躍的に成長させるため、従来の常識を覆す革新的な技術・商品・サービスを生み出していくイノベーションの創出に向け、「知」の集積と活用の場による研究開発を重点的に推進することを目的とした事業です。
【古屋廣光教授の研究課題(開発研究ステージ)】
「施設園芸の主要病害発生予測 AI による総合的病害予測・防除支援ソフトウェア開発」
◆研究課題の概要
今回採択された課題は、作物の病気の予防的な対策技術の開発を目ざす研究です。対象はトマトやキュウリなどの施設栽培において多発する病気で、気象観測データにもとづいて病気の発生を予測し、効果的な防除をするための情報を提供する技術の開発を目的としています。近年、著しい発展を見せているAI(人工知能)を使って技術構築を計ろうとするところが特に新しい点です。
◆古屋廣光教授のコメント
この度はイノベーション創出強化研究推進事業に採択されたことを誠に嬉しく思っております。今後は、農作物の病害対策に新しい展開をおこすべく、この分野をリードする気概で取り組んでいきたいと思います。実はかつて秋田は、イネいもち病の研究でこの分野をリードしていたことがあります。今回、その伝統を引き継ぐことができれば幸いです。
【佐藤孝准教授の研究課題(応用研究ステージ)】
「土壌病害抑制機能を有する微生物と植物によるダイズ土壌伝染性病害防除技術の確立」
◆ 研究課題の概要
近年、ダイズ黒根腐病やダイズ茎疫病などの土壌伝染性病害によるダイズの低収量、低品質が大きな問題となっています。現在、これらの病害に効果的な農薬はなく、効果的な防除技術の確立が求められています。近年、土壌殺菌(燻蒸)を薬剤を使わず、殺菌成分を含む植物(病害抑制植物)を栽培して土壌の鋤き込む技術が注目されています。ですが、これがダイズの土壌病害抑制にも効果があるかはよく分かっていません。一方、本研究グループでは、ダイズ黒根腐病菌の増殖を抑制し、ダイズの病害発生を抑制するBacillus属の細菌を分離することに成功しました。本研究では、この抑制微生物を含む資材と病害抑制植物を組み合わせた、ダイズの土壌病害抑制技術の構築を目指します。
◆ 佐藤孝准教授のコメント
本研究は難しい課題ですが、研究グループの仲間と力を合わせて、目標を達成したいと考えています。ダイズ栽培の現状は明るいとは言い難いので、農家の皆さんが笑顔になるような技術を作り上げたいですね。
古屋 廣光 教授(右)と 金田 吉弘 生物資源科学部長(左) | 佐藤 孝 准教授と学生たち |