高大接続塾ハイレベル数学講座を実施しました(システム科学技術学部)

 令和5年3月27日から29日の3日間、本学本荘キャンパスを会場に「高大接続塾 ハイレベル数学講座」を実施し、高校生53名が参加しました。

 ハイレベル数学講座は、秋田県内の高校生に対し、社会への活用を見据えた数学や統計学を学習すること、また、数学が物理にどう結びつくかを学ぶことで、高校数学の深い理解を目標としており、 「数学で解く物理の世界」と「統計学で解き明かす科学」の2講座が開講されました。

★数学で解く物理の世界(総合科学教育研究センター:宮本雲平准教授)

<概要>
 微分積分は、力学における運動方程式を解くために開発されたものですが、高校の学習では物理と数学がかけ離れてしまっています。この講座では、運動方程式を微分方程式として捉え、数学的に扱うことで、公式を使いこなす教科と思われがちな物理の捉え方を見直すこと、数学Ⅲの内容である微分積分を学ぶモチベーションを高めることを主な目的としました。


宮本 雲平 准教授


<受講者の感想>
・完全に数学だと思っていた微分・積分が物理の分野においても大きな役割を果たすというとことが興味深かった。また、先生と一緒に式を解いていく中で式の形をいろいろと変えて解いていくのが面白かった。微分積分が未習であり、そこさえ分かればもう少しつかめるのに、と惜しく感じたところがあった。
・数学と物理学の美しい関係について知ることができた。物理や数学を学ぶモチベーションになった。大学での学びのおもしろさを垣間見ることができた一方、高校の勉強との違いについても知ることができた。
・物理現象を数学の微分方程式で表し、運動を説明できるのがとても面白かった。数Ⅲの知識を豊富に使って解くことがとても楽しかった。
・昨年も受けたがやはり数Ⅲの微積を学んだ後だったので昨年よりよく理解できた。自身の成長を感じられる良い機会になった。授業も昨年より様々な式を理解でき、丁寧な解説で分かりやすかった。個人的に調べて力学以外の式も導出できるようにしてみたいと思う。
・物理は苦手だったが、今回の講義を受けておもしろいと思えるようになった。また、「授業」ではなく「講義」を体験して大学生活が楽しみになると同時に、大学受験へのモチベーションになった。
・物理を高校の授業で1年学んできましたが、公式理解に苦しむ場面は今まで何度も経験してきました。それらを運動方程式ma=Fから数学を用いて様々な公式を導かれたのでより理解が深まり、感動しました。
 

 



 

★統計学で解き明かす科学(木村寛教授)

<概要>
 統計学とはどういう分野?日常のなかでどのように用いられているのか?この講座では、模試や受験でよく耳にする偏差値や近年、社会に求められているデータサイエンティストを取り上げ、統計分野を学んでいく中で必要となる基本的な数学概念を解説しました。講義で得た知識を活用し、演習で共通テストの数学Ⅱ・Bの問題に挑戦しました。
 


木村 寛 教授



<受講者の感想>
・今までデータの分析といえば、多くのデータをミスなく処理する単純な作業で、正直な所何が面白いのかまったくわからなかったが、今回の講義を聞いてテストの平均点と分散から偏差値を求める方法や工業製品の品質管理にも応用できることがわかり、学習意欲がわいた。
・授業で習っていない所も詳しく丁寧だったので、すごく分かりやすく為になるものばかりでした。自分で問題をといてみたり、1つ1つの用語を詳しく知れたりして、有意義な3日間を過ごす事ができました。
・データと確率を結びつけて考えるのが興味深かった。偏差値などの仕組みを通して確率分布をより理解できた。生活に深く結びついていてより関心を持つことができた。
・母集団の中からとり出したいくつかのデータの標本を元に、平均や分散からデータの特徴を知れるのが面白かった。標準化し、ばらつきを見やすく出来ることも分かった。
・今までは私は、分散や標準偏差など意味も分からず式を暗記していましたが、それぞれの式の意味に感心しました。また、試験で出る正規分布表の見方や標準化なども学ぶことができ、とてもありがたかったです。
・どんなデータでも見やすくすることができるということですばらしい学問だと思いました。学校の探究アンケートなどの際に変な回答があったときに活躍しそうだなと思いました。
 

 



 この講座への参加を通じて、物理の捉え方が変わったり共通テストの問題が解けるようになり自信が付いたりと、受講生の数学・物理への探究心がより高まったことが伺えました。
 受講生のみなさん、3日間お疲れさまでした!ご参加ありがとうございました!