小林淳一学長 退任挨拶

 小林淳一学長は、2007年に本学システム科学技術学部の教員として着任し、機械知能システム学科長、理事兼副学長を経て、2017年4月からは理事長兼学長として6年間、本学の運営に尽力いたしました。令和5年3月31日(金)をもって任期満了により退任しますので、ご挨拶申し上げます。

学長退任のご挨拶 

  企業の研究開発部門で約30年間、製品の研究開発を行った後、秋田県立大学に赴任しました。そして早いのもで、16年が経ちました。最初の4年間は本荘キャンパスで教員として学生を指導し、企業とは違う大学教育のあり方を学びました。その後、理事兼副学長、理事長兼学長をそれぞれ6年ずつ12年間勤めました。

 副学長の時は、教育担当として、高等教育機関としての教育改革が叫ばれる中、本学の教育の特徴を如何に作っていくかに力を注ぎました。
本学は少人数教育が有名で、学生は入学してから卒業までの間に大きく成長することが特徴です。これは就職先の企業からの評判が大変良いことに繋がっています。

 学長としては、18歳人口の減少に対応し、これからの大学のあり方を意識した大学運営に注力しました。具体的には、県民やその他のステークホルダーから本学の存在価値をしっかり認識してもらうことが必要と考え、教育、研究はもちろんですが、本学が自ら地域課題を抽出し、大学を上げてその課題解決に取り組むことに重点を置きました。秋田版スマート農業や航空機の電動化プロジェクトがその具体例です。この他にもいくつかのプロジェクトが計画されています。これらのプロジェクトを推進することによって、地域の農業、産業、暮らしが改善され持続可能な秋田の実現に貢献できるものと考えています。
 
 バブル崩壊後日本の生産性は世界と比べ伸びていません。この状況を改善していくためには、様々なイノベーションによる新たな価値創造ビジネス、より合理的・効率的な社会の仕組みづくりを推進していかなければなりません。大学はそのような改革に積極的にチャレンジする創造性の高い人材育成が求められています。そのためには大学は残すべきところは残しながら、既存にとらわれず様々な改革を実行していく必要があります。秋田県立大学は「地(知)の中核拠点」として存在しますので、今後とも持続可能な地域の実現に向けて成長していくことを願っています。
 

令和5年3月30日
学長