「井川ダビウム」の栽培体験教室が開催されました

~生物資源科学部 アグリビジネス学科~

 本学生物資源科学部アグリビジネス学科と秋田県南秋田郡井川町では、「オーニソガラム・ダビウム」という花を特産品とすることを目指して、共同研究を進めています。

 6月28日(火)および30日(木)、井川町立井川義務教育学校の総合文化部の生徒さんを対象に、アグリビジネス学科(先進園芸技術開発プロジェクト)の角崎 歩美さん、冨樫 七星さん(指導教員:神田 啓臣 准教授[専門:花き栽培学、社会園芸学])を講師に、地元のダビウム生産者さんと一緒に、ダビウムの栽培体験を行いました。
 
 1日目の28日(火)は、細胞などの培養に使う栄養分を含んだ液体を寒天で固めた「寒天培地」作りを体験しました。培地は、植物や微生物が育つために必要な栄養が詰まった液体のことで、今回は、蒸留水に砂糖を混ぜ沸騰させ寒天を加え、冷ましたものを少しずつ試験管に入れ培地を作りました。科学実験のような栽培方法に、生徒たちは最初は不安な様子でしたが、県大生や地元生産者のサポートを得ながら、手際よく作業を進めました。

 2日目の30日(木)は、生徒さんが作った培地にダビウムの「りん片」を植え込みました。りん片とは、植物体の表面などに生ずるうろこ状のもので、ダビウムの球根からピンセットで丁寧にはがし切ったものです。生徒は、培地に植えた時にカビが生えることを防止するため、りん片をしっかり殺菌した上で、試験管1本につき1枚のりん片を丁寧に植え込み、合計100本の試験管を完成させました。

 植物の細胞は、たった1個の細胞からでも細胞分裂を繰り返して、根・茎・葉の揃った完全な個体を再生する力『分化全能性』を持っており、ダビウムも分化全能性により、球根の欠片から植物体を再生することができます。成長すると1~2ヶ月程度で、球根の欠片から植物の芽が出て、3~4ヶ月後に、成長した芽を土に植え替え栽培すると、翌年には1つの球根に再生します。来年は試験管の数だけの球根ができることが期待され、井川ダビウムはこの手法で作った球根で栽培されています。

☆角崎 歩美さんのコメント
生徒さんには今回の体験教室を通じて、植物や理科に興味・関心を持つキッカケにしてほしい。将来は、地域の特産品である井川ダビウムが普及することを期待しています!!

☆AKT秋田テレビ公式
 「特産品化を目指す花「井川ダビウム」生徒が栽培体験 秋田・井川町(Live News あきた AKT公式You Tube)」
 
☆FNNプライムオンライン
  https://www.fnn.jp/articles/-/381991
 


角崎 歩美さん


冨樫 七星さん と 神田 啓臣 准教授