スズタケが120年ぶりに開花!! 蒔田明史教授が解説

 秋田市の一つ森公園でササの一種「スズタケ」が一斉に開花し、5月12日(木)、生物資源科学部生物環境科学科の蒔田 明史 教授・学部長[専門:森林生態学]による報道機関向けの鑑賞会・説明会を開催しました。
 
 蒔田教授は、京都大学の学生時代から40年以上にわたり、ササの成長や更新過程などを継続してモニタリングを行っており、ササのユニークな生態や魅力を日々追い求めております。 

 スズタケが生えているのは、一つ森公園の第5駐車場から日本庭園に向かう階段脇の一角約10mで、丈約1mのササの先端に、イネの穂に似た長さ3cmほどの紫の花が複数付いていて、穂一つから淡い黄色のおしべが6つずつ垂れているのが確認できました。スズタケの開花は一生に一度で、120年ぶりともいわれる貴重な現象です。一つ森公園は1978年度以降に整備されており、ここのスズタケは別の場所に生えていたのが移植されたと考えれます。
 
 蒔田教授によると、スズタケは北海道から九州の太平洋側に分布し日本海側では珍しく秋田県での開花事例はなく、開花時期は1~2週間で同時に枯れてしまう。また、ササは一生に1度しか花を付けず、枯れた後は数十年かけて再生するそうです。5年前に愛知県を中心にスズタケが開花した際、現地調査と共に古文書を調べた報告によると、今から120年前にも同様の地域でスズタケが開花し、村人たちがこぞってササの実を集めたという記述があり、このことからスズタケは120年周期で開花すると言われています。
 

蒔田教授のコメント 

 ササの花は、一生に一度見られるか見られないかとされます。この機会に、自然界の不思議に思いを馳せてほしい。120年周期と言われてますが、だとすれば、ササは何らかの方法で120年という時を数えているはずです。しかし、そのメカニズムは未だわかっていません。さらには、滅多に咲かないササの開花を察知して、花に卵を生みに来る小さな昆虫の存在も知られています。市民の皆さんも是非ササの花を見て、そんな自然の不思議や身近な植物の生き様を感じて欲しいものだと思います。
   


一斉に開花したスズタケ


蒔田 明史 教授[専門:森林生態学]


公園内の別の場所で開花したクマイザサ


抗菌性に優れおにぎりやちまきを包むのに使用


ササの研究をしている学生さんも参加


ササの部分開花について研究中!!


たくさんの市民の目を楽しませていました!!


カエルも珍しい現象に興味津々


★産経デジタルニュースにリンク(令和4年5月12日)
 『120年に1度?の光景 秋田市でスズタケ開花』
★秋田魁新報電子版にリンク(令和4年5月13日) 
『120年に1度の光景「スズタケ」咲く 秋田市・一つ森公園』
★読売新聞オンラインにリンク(令和4年5月13日)
 『120年に1度だけ、「スズタケ」開花…専門家も「非常に珍しい現象」』
★日本経済新聞電子版にリンク(令和4年5月13日)
 『秋田市でスズタケ開花 120年に1度?の珍しい光景』
★朝日新聞デジタルにリンク(令和4年5月14日)
 『120年に一度だけ咲く「スズタケ」が一斉開花 専門家も「珍しい」』
★毎日新聞デジタルにリンク(令和4年5月14日)
 『120年の寿命尽きる間際に咲く「スズタケ」 秋田の公園で開花』

その他、当日は多数のメディアの皆さんにお集まりいただきました。ありがとうございました。