本学大学院生が森林・林業技術交流発表会で奨励賞を受賞しました

 令和4年2月1日(火)~2日(水)にオンライン形式で開催された「森林・林業技術交流発表会」において、大学院・生物資源科学研究科(博士前期課程2年)の齊藤真紀さん(森林科学研究室)が、森林保全部門で奨励賞を受賞しました。

 齊藤さんは、森林科学研究室の強固なチームワークと、指導教員の星崎 和彦 教授の親身かつ丁寧な研究指導の下、コツコツ研究を継続して取り組んだ結果、本賞の受賞に繋がりました。

 東北森林管理局では、森林・林業・木材産業の活性化を推進するための情報提供・意見交換を行い、関係者の技術の普及・向上、さらには交流の推進を目的として、「森林・林業技術交流発表会」を毎年開催しています。

☆研究発表タイトル

 『スギの開花に伴って林地に供給される窒素、リン供給量』
  齊藤真紀 早川敦 星崎和彦

☆研究概要
 スギは秋に花をつけ、春に開花させて花粉を飛ばします。このような場合、森林の土壌には花と花粉が供給されることになりますが、それらが森林の土壌に与える影響はほとんど考慮されてきませんでした。しかしブナやニセアカシアの花は、植物の生育に必要な栄養素である窒素とリンに富むことが分かっており、スギの花や花粉もまた窒素とリンに富み、林地への窒素、リン供給源になっているのではないかと考えました。そのため本研究では、林地に供給される花と花粉由来の窒素、リン供給量を定量し、その貢献を評価するため、森林の土壌への養分供給に大きく貢献していると考えられている葉や枝と比較しました。その結果、葉、枝、花および花粉由来の窒素、リン供給量を、葉と枝のみと比較すると、窒素供給量は1.5倍、リン供給量は2.4倍になることが分かり、従来考えられていた以上に、スギの開花によって森林の土壌に養分が供給されているとわかりました。

☆受賞コメント
 このような素晴らしい賞をいただく機会に恵まれたことを大変嬉しく思います。これも日頃からお世話になっている森林科学研究室の先生・学生の皆様をはじめとする多くの方々のお力添えがあったからこそです。本当にありがとうございました。
   

受賞した齊藤真紀さん

調査地の秋田市太平にて雪をサンプリング

土壌学研究室実験室でデータ分析

建物の屋上で雨水を回収

室内でスギを開花させ窒素やリンを定量



地面に落ちたスギの花と花粉

炭やき活動にも積極的に参加

薪割り名人!!