本学教員が衆議院農林水産委員会の参考人質疑に出席しました

 日本有機農業学会会長を務める、生物資源科学部生物環境科学科の谷口 吉光 教授(専門:食と農の社会学)が、3月24日(木)午前9時から行われた衆議院の農林水産委員会の「みどりの食料システム戦略」に関する参考人質疑に出席しました。
 
☆谷口 吉光 教授のコメント
最初に、私を含めて4人の参考人がそれぞれ15分の意見陳述を行いました。その後、7つの会派から代表者がそれぞれ20分の持ち時間で参考人と質疑応答を行いました。私は日本有機農業学会の会長という立場から、みどり戦略の目標の1つである「有機農業の面積を2050年までに100万ヘクタール(全農地面積の25%)に拡大する」という戦略について意見を述べました。初めて国会で有機農業について幅広い議論が交わされたと思います。「有機農業は草取りに追われる農業だ」とか「『農家はみんな貧乏なんですよね』と都会の子どもに言われた」など、「いつの時代の話をしているのか」と思うような古い固定観念が今でも生きていることが分かったり、2人の農業者から目が覚めるような答弁が次々に出てくるなど、現在の日本の有機農業の実態と課題が浮き彫りになったと思います。私もできるだけ単刀直入に問題に切り込み、簡潔明瞭に多くの論点を提起するように努めました。 驚いたことに、3時間30分の委員会審議は休憩時間がない長丁場でした。しかし、出席された議員さんたちは居眠りする様子もなく、最後まで集中して聞いて下さいました(大変な体力と精神力だと思いました)。壇上でたくさんの熱い視線を感じながら、「有機農業を広げるという課題は国民全体のものになりつつある!」と実感できたことが大きな収穫でした。

 <衆議院農林水産委員会>
 【参考人質疑日時】3月24日(木)午前9時~ 

 ☆以下のリンクも是非ご覧ください。
  一般社団法人 農協協会【シリーズ:みどり戦略を考える(令和3年6月18日付け)】
  対談:『まるで欧米追随 まず「調和」理念の共有を 谷口吉光秋田県立大学教授 谷口信和東京大学名誉教授』