【学長メッセージ】新型コロナウイルス感染者の発生について

 学長の小林です。
 
 この度、本学の複数の学生が、新型コロナウィルスに感染しました。感染が確認された皆さんが、一日も早く病状回復し学業に復帰されることを心から願っています。ご家族や周囲の方々も大変心配されていることと思います。コロナ感染は誰にも起こりうることですが、今回は、感染して各種症状に悩まされたり悪化する不安に襲われたりして、初めて感染とはどういうものか、そして感染対策の重要性について深く真剣に考えた人もいたのではないでしょうか。何か不安や困りごと等があれば、遠慮なく大学に相談してください。

 その他の皆さんのなかにも不安を抱いた方が多かったと思いますが、大学からの指示に対して迅速かつ冷静に対応して頂き、感謝しています。幸い、先週までに学内での感染拡大は見られていません。今後は、早く通常の学生生活を取り戻せるよう教職員とともに努めていきますので、皆さんにも引き続き協力をお願いします。そして、感染者や関係者を特定して差別的取扱いをしたり、むやみに非難したりすることがないよう、人権尊重と個人情報保護にも努めて下さるようお願いします。

 ダンスイベントに参加し、そこで感染したということで、由利本荘保健所所長様からは「行動については様々な角度から反省し、今後このようなことがないよう気を引き締めて欲しい。」という指導がありました。私たちはこのことを真摯に受け止め、今後この様なことが起きないよう、慎重な行動を心がけましょう。このイベントに参加した学生諸君には、今回の自分達の行動をしっかりと反省して、再発防止に努めて頂きたいと思います。また、他の学生においても、ふとした気の緩み等により同じようなことが自分の身にも起こり得ると考えて、本件を自分の感染対策行動を引き締めるきっかけとしてください。

 感染防止を考えたとき、最も大切なことは「想像力」だと思います。感染は、感染者の飛沫を浴びる、あるいはテーブル、椅子などちょっとしたところに潜むウィルスに触れ、それを自分の目、鼻、口を通して体内に持ち込むことによって起こります。すなわち感染メカニズムは大変物理的なことです。従って、どんなところに感染リスクが潜んでいるか、過度に恐れることはありませんが、「想像力」を働かせ注意深く考えてみることが大事です。それを頭で整理し、何か行動するときのチェックポイントに仕上げ、日々実践すると良いと思います。

 昨年から起きているコロナ感染を見てみると、感染拡大防止と経済への影響を両天秤にかけ、そのバランスをとろうと必死になっている構図が現れます。しかしその結果、緊急事態宣言が3回も繰り返され、人々はだんだん宣言慣れしてしまいました。その証拠に街中の人流が普段と変わらないぐらい増えています。つまり感染リスクが確実に増えています。また感染力の強い変異株も現れています。ワクチン接種もまだ時間がかかります。私たちはこれらのことをしっかり認識し、改めて感染防止について考え直し、自分を守るあるいは人に感染させない行動をとりましょう。

 なお、本学ホームページに「新型コロナウィルス感染症に係る注意喚起について(通知)」及び「新型コロナウィルス感染症に係る対応方針(6月29日改定)」も載せてありますので、熟読してください。 
令和3年7月5日
秋田県立大学 学長 小林 淳一