ジョブシャドウイングレポート(株式会社日立超LSIシステムズ秋田事業所)

ジョブシャドウイングレポート

(株式会社日立超LSIシステムズ秋田事業所)

 

 

 平成29年2月15日(水)、株式会社日立超LSIシステムズ秋田事業所(秋田市雄和相川字後野85)において、ジョブシャドウイングを行いました。参加者は、システム科学技術学部電子情報システム学科1年生2名、経営システム工学科2年生3名の計5名でした。

 

 株式会社日立超LSIシステムズは、自動車や社会インフラ分野を中心にソフトウェア、システム製品を設計・開発している企業です。秋田事業所では主に大手車載器メーカー向けのカーナビやAudio機器、周辺監視カメラ、ドライブレコーダーなどのソフトウェアの開発を手がけています。秋田事業所には85名の職員が仕事をしているとのことです。
 今回は、ソフトウェア開発を行っている部署を訪問し、実際の仕事の様子を間近に観察させていただきました。また、本学の卒業生がメンターを務め、参加した学生を案内していただきました。

 

 はじめに「経営者の講話」では、組込ソリューション事業部第1組込ソリューション設計部の高橋富士雄部長から、会社機構の紹介や秋田事業所の事業内容、組織体制について紹介いただきました。また、高橋部長からは「私が思う、働くということ」について、「生活していくということは、家族を幸せにすること」と紹介がありました。1日24時間働くことが家族にとって幸せなことではないはずとのこと。企業で働いて何をするのかというと、「世の中にサービスや製品を提供すること」によりお客様に喜んでもらう。これが「社会への帰属」や「社会への貢献」になる。そのために会社に帰属していると思うとのことでした。
 フリートークでは、学生から車にはマイコンがどれくらい使用されているのかとの質問があり、数百個のマイコンが使用されているとの回答に驚いていました。また、高橋部長から「これからは、ビッグデータの情報分析力が世界で必要とされる。データアナリストが足りない。日本は特にその分野が遅れているといわれている。今後IoTにより収集されたビッグデータの分析・解析が重要になる。ソフトウェアを作るという行為を徐々にパソコン自体に任せるようになり、新興国がソフトウェア開発に力をつけているので、業務を日本から海外にシフトする可能性がある。次はどういう商売が必要かというと、データ分析・解析。分析・解析した結果で、次にどんなデバイスや端末を使えば作業が楽になるか、便利さが増すかということを提案していく仕事。それが次の主流となると思っている」との紹介がありました。参加した学生たちは気軽に高橋部長と意見交換を行っていました。
 次に、第1組込ソリューション設計部の田口聡樹グループリーダーから「事業所の開発品とソフトウェア開発工程」について、会社の取り組み内容やソフトウェア開発内容などを紹介していただきました。また、田口グループリーダーからは「大学でやっておけばよかったこと」は、海外の留学、世界各地の旅で、文化の違いを知ることができるから、とのことでした。「大学でやってよかったこと」はアルバイトで、これによって、個人で評価され信用されることが会社の評価に繋がるということを知ったとのことでした。「会社での経験で良かったこと」は、大学院で勉強のやり直しができた社会人留学との紹介がありました。

 

 お昼は会社のご厚意により、参加学生と本学OB4人が一緒に社内食堂で昼食懇談会を和やかに行いました。
 午後は事業所内を案内していただきました。部屋によっては関係部署の職員しか入室できないようになっていて、社内の情報セキュリティ対策がしっかり整備されていました。

 

 まず、「仕様書レビュー(会議)」の様子を特別に見学させていただきました。レビューは、担当者が作成した仕様書について、プロジェクトリーダーが記載方法や内容について詳細にチェックを行い、品質レベルを向上させていくもので、とても大事な会議であり、通常では見学することはできません。チェックを受ける側とチェックをする側の真剣なやりとりに、見学している間私たちも緊張しました。なお、レビューの案内は本学OBがメンターとして対応してくれました。
 次の「テスト・デバッグ見学」でも、見学の部署にいる本学OBがメンターとして対応してくれました。実際にプログラムのバグや製品の欠陥がないかテストする作業を間近に見て詳しく説明していただきました。

 

◎ジョブシャドウイング参加の感想は?
・一企業の見学では多くは学べないと思っていたが、意外なことを知ることができた。
・仕様書レビューではより品質を高めるためにチェックしていて、コミュニケーション能力も重要だと思った。実際の仕事を生で見ることができ、自分がどんな会社に行きたいのか参考になった。
・自動運転などこれから主体になると思われるシステムを開発していくという、未知のものに挑戦していることにやりがいがあるだろうと思ったし、実際に世に出たときの嬉しさも感じるだろうと思った。
・2年生という就職活動の前段階で、実際に会社に訪問して仕事を知る機会を得ることができて良かった。
・ジョブシャドウイングは、今後の自分の将来を決める上で大切なものとなった。大学で学んだことを生かした職業の内容を初めて見学して、大学の知識が大いに必要だと実感した。卒業生からの説明を聞き、意見交換できたことは貴重なものとなった。

 

◎この経験を今後の学習や学生生活にどう活かしたいと思いますか?
・今回一番有益だった情報は、これからの社会において、不足してくる職種に「データアナリスト」があるとの紹介だった。データアナリストを将来の目標の1つとしたい。
・今自分たちが取り組んでいる自主研究活動に似た部分があった。その中のグループ活動を自主研究活動だけでなく、実際の大学の講義でも取り入れる機会があれば、自発的に活動できるようにしたい。
・パソコンでの地味なデスクワークも長時間できるような集中力をつけていきたい。ソフトウェアに関して少し興味が出てきたので、プログラミングに関してももっと知識をつけていきたい。
・県立大の先輩が実際に働いている姿を見て、自分の将来のビジョンが少し見えた気がした。また、理系企業がこれからの成長産業であるという意見も納得できる事業内容だった。
・今回の訪問では難しい内容の仕事があり、近い将来に自分も同じような事をしていると思い、専門分野の知識を増やす必要があると感じた。
・2年生から専門科目が増えるので、就職してから苦戦しないように今のうちから学習したことをしっかり頭に入れるよう心がけていきたい。大学で学んだことを使えるような職に就きたい。

 

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 講話の様子

 メンターの仕事を観察