ジョブシャドウイングレポート(インターフェイス株式会社)

ジョブシャドウイングレポート(インターフェイス株式会社)

 

 

 平成29年2月17日(金)、インターフェイス株式会社(秋田市中通二丁目8-1)において、ジョブシャドウイングを実施しました。参加者は生物資源科学部応用生物科学科の2年生1名、アグリビジネス学科の2年生3名の計4名です。インターフェイス株式会社は、化粧品や日用品などの安全性や有用性を研究・調査する臨床試験受託機関です。秋田の人をモニターに、新製品の開発のため国内外の大手メーカーから依頼された化粧品などの臨床試験を行っている、平成18年に設立された秋田発のベンチャー企業です。
 
 今回は、会社概要の説明、職場見学、ランチミーティング、意見交換、経営者講話のプログラムで実施し、本学の卒業生2人もメンターとして、また先輩として対応してくれました。化粧品を扱う、女性には興味深い分野の企業であり、参加した学生は、熱心に見聞きしていました。初めに、藤井マネージャーから同社の業務概要について説明がありました。

 

 インターフェイスは、昨年、秋田市山王から秋田駅前の「フォンテAKITA」7階に事業所を移転し、床面積が約2倍になり、従業員は24名、登録しているモニターは約9,000人とのことです。「秋田美人」に着目した海外大手メーカーの高級化粧品の臨床試験を行い、その企業からベストビジネスパートナーの表彰を受けたことで仕事の幅が広がったそうです。化粧品が世に出るまでには、市場調査、コンセプト決定、処方開発、安全性等を確認する臨床試験、生産という段階を踏むが、インターフェイスはこのうちの臨床試験を行っていること、そして、臨床試験を行うには、被験者募集、試験、被験者管理、データとりまとめ、統計解析、報告書作成という作業が必要で、分業されることも多いが、インターフェイスはワンストップで行っている、という説明がありました。また、最近、若い人に流行の「ツヤ肌」の話や、医薬品、医薬部外品と化粧品の違いや、化粧品には効能・効果を謳った表示をしてはいけないこと、肌の異常は化粧品では治らないことなどの説明もありました。

 

 職場見学では、本学の卒業生の二人にメンターを務めていただきました。2組に分かれて、書類整理の作業を実際に体験したり、肌の測定や顔写真の撮影、画像の加工、データの整理など具体的な仕事の様子を観察しました。また、翌日予定されている、被験者の受け入れに備えて受付から測定まで一連の流れに沿って行うリハーサルの様子や、クライアントから高く評価されている恒温恒湿室(臨床試験を行う部屋)も見せていただきました。

 

 ランチミーティングでは、本学の卒業生のメンター2人と参加学生だけで昼食を取りながら懇談し、会社や仕事の話のほか、学生時代の話や、就職活動のことなどの話を聞くことができ、貴重な時間を過ごすことができたようです。

 

 午後は、藤井マネージャーとの意見交換を行いました。午前中見てもらったリハーサルは、初めて来た人でも不安にならないよう、また来たいと思ってもらえるよう、入念に行っているとの説明がありました。
 学生からの必要な資格や能力はあるかとの質問には、入社のために特別な資格は必要ないが、様々な経歴と特徴を持った職員がいて、どうしたらその試験がよりよくできるか、意見を出し合いながら仕事をしているので、持って欲しいのはコミュニケーション能力との回答がありました。

 

 最後に、経営者講話を行っていいただきました。野澤一美代表取締役は、埼玉県の出身で本県にはゆかりのない方ですが、なぜ秋田で起業したのかなどについて話していただきました。 起業のきっかけは、アメリカで10年以上化粧品の臨床試験の仕事をした経験があり、日本の化粧品会社から国内に臨床試験の会社を創ってくれないかとの要請があったことだそうです。秋田で創業した理由は、秋田市の友人から県のベンチャー支援事業の紹介を受けたことに加え「秋田美人」の存在が大きかったそうです。さらに、意外に首都圏から近いことと、創業資金が東京に比べ安いことも理由に挙げていました。また、学生へのアドバイスとして、「語学力が大事。英会話ができることにより社会での可能性が広がる。できれば1年間留学して、語学や外国の文化を学んで欲しい。」、「採用の際の面接では、前向きか、素直か、向学心があるかというところを重視している。若い人は失敗を怖がらないこと。失敗しても自身が気にするほど周りの人は気にしていない。どんどん挑戦し、失敗から学ぶことで成長する。」などの話をしていただきました。
                                    
◎ジョブシャドウイング参加の感想は?
・職場の様子、従業員の方々の仕事ぶりを観察したり、話を聞くことで、知見を広げることができたと感じた。
・県立大学の卒業生とも話をする時間があり、仕事のことに限らず、学生時代の話や、就職活動に関する話をしていただき、貴重な時間を過ごすことができた
・自分にはコミュニケーション能力が足りていないこと、働くとはどういったことかということを感じることができた。
・今まで農業の分野しか見てこなかったが、違う分野の仕事を学び、自分の考え方、視野が広がったように思う。
・秋田での起業について、積極的な考え方を伺うことができ、貴重な経験ができた。
・秋田に、大手化粧品メーカーから臨床試験を依頼される会社があることをとても誇らしいと思った。

 

◎この経験を今後の学習や学生生活にどう活かしたいと思いますか?
・どの企業でもコミュニケーション能力が高い人、積極性のある人が求められると改めて感じた。これからは失敗を恐れず様々な活動に積極的に取り組みたい。
・失敗を怖がらずに、挑戦することが大切だと気づいた。今後は、回りにとらわれず、自分を高めていくため、そして経験を積むために様々なことに取り組もうと思う。
・一つ一つの作業にメーカーや被験者への心遣いを感じた。これからは、他の人への配慮やコミュニケーションを高めるために、積極的に行動に移すことが大切だと思った。
・自身の経験に基づいた野澤社長の英語が大事という話は説得力があり、1年留学するくらいの気持ちを持っていたいと思った。

 

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 【マネージャーからの業務説明】

 【リハーサルの観察】

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 【メンターからの説明】

 【経営者講話】