【地域学アドバンスト】鵜養地区の持続可能な地域づくりを提案!
~鵜養の資源を活かした新たな農業・農村ビジネスの提案に関する成果発表会~

町内会長の石塚正喜さん
重岡 徹 教授
学生の情熱をカタチに!学生による本気の地域活性化案
本授業には、生物資源科学部2年生を中心とする学生15名が参加しました。6月に石塚正喜町内会長による事前講義を受講したのち、9月1日〜2日の1泊2日で鵜養地区でのフィールドワークを実施。集落内をはじめ、無農薬酒米の水田や原木シイタケの栽培林地などを巡り、地域住民や新規就農者、若手農家へのヒアリングを重ねました。フィールドワーク後の9日間、学生たちは鵜養地区の課題解決に向けた新たな農業・農村ビジネスの企画案や、地域を元気にする提案を必死に考え抜き、その成果を発表しました。Aチーム 活性化活動を具体的に展開するための拠点づくり
演題 「鵜養に、もうひとつの顔を 人が集まり、食を囲み、地域が繋がる場所」
集落を素通りしてしまう観光客の課題を解決するため、豊富な水資源を活用した「水車」と、害獣対策を兼ねた「ししおどし」を新たなシンボルとして設置することを提示しました。これらを目的地としつつ、集落入口の案内看板やレンタルサイクリング、観光地巡りと農業・手芸などの体験参加を組み合わせた2種類のスタンプラリーを整備することで、徒歩や車では巡りづらい集落内の回遊を促す仕組みを考案しました。〇交流拠点『うかっちゃ』の開設
鵜養の「う」と秋田弁でお母さんを意味する「かっちゃ」を掛け合わせた拠点『うかっちゃ』を、空き家を活用して設立するプランを発表しました。かまどを使った郷土料理づくり、季節ごとの農作業、伝統の炭焼きや藁工芸の体験、新政酒造の米センター見学と連動したイベントなど、地域住民が主役となって文化を伝える企画を通じて、観光客と住民が世代を超えて集い交流する機会の創出を提案しました。
〇滞在型観光を支える民泊『鵜養然 うやしぜん(UYASIZEN) 』
交流から一歩深まった関係人口の滞在先として、鵜養と自然を掛け合わせた民泊『鵜養然 うやしぜん(UYASIZEN うやしない+しぜん)』の開設を提案、柔軟な滞在日数設定や自分好みにカスタマイズできる宿泊プラン、地場食材や新政収蔵の酒を楽しめる夕食の提供に加え、四季折々のアクティビティ(春の山菜採り、夏の渓流釣り、秋の収穫、冬の雪遊びなど…)を用意することで、リピーターの獲得や持続的な地域経済の活性化を目指す構想を提案しました。
Cチーム 新規就農者の起業に役立つグリーン・ツーリズム
演題:「鵜養の源流地 ~通り過ぎる観光から立ち寄る観光へ~」
移住・新規就農された田村夫妻が営む『うやしない農園』を新たな拠点とし、持続可能な地域づくりのための多角的なビジネスモデルを提示しました。まず、将来の気候変動を見据えた新たな特産品として「柚子」の栽培を提案。さらに、鵜養地区の豊かな水環境を活かした「水車バッタリ小屋」を設置し、名産であるシイタケを活用した「椎茸パウダー」の製造・加工を推進することで、地域資源の価値を高めます。また、単なる通過する観光から立ち寄る観光への転換を目指し、地域の人が集う交流拠点として、古民家の活用を企画しました。昼は地域の旬を味わう体験型レストラン「あさがお」として観光客を迎え入れ、夜は地域住民も日常的に集える居酒屋「よるがお」へと姿を変える二段階営業スタイルを提案。観光客と地元住民が自然に交わり、笑顔があふれる賑わい創出とコミュニティ再生の架け橋となるプランを提案しました。今回の提案を受け、他業種から移住・新規就農された田村様ご夫婦からも温かい感想が寄せられました。学生たちの真摯な姿勢と深い提案に思わず涙を流され、「本当に素晴らしい発表で、さっきから涙が止まらない」と感動を露わにされました。奥様からも「自分たちが投げかけた課題に対し、ここまで深く切り込んで考えてくれてありがたい。柚子の栽培や交流拠点・古民家レストランのネーミングなど、可能性があれば何でもチャレンジする気で参考にしたい」と、学生たちの想いをしっかり受け止め、未来への意欲を語っていただきました。
Bチーム 若手Uターン者の起業に役立つグリーン・ツーリズム
演題:「無農薬米、全国へ行きます!!~お米から始まる地域づくり~」
農薬や化学肥料を使わずに育てている「あきたこまち」のお米ブランド『たすえむ』の応援アイデアを提案。一人で多岐にわたる業務を抱える原田さんSNS運用や情報発信の限界という課題を提示。その解決策として、広報活動を「情報発信部門(SNSの多角化や生成AIを活用した日常マンガの制作)」「販売促進部門(県内外のイベント出店やアンテナショップでの認知拡大)」「地域連携部門(他農家とのコラボ料理や特製グッズ販売)」の3部門に整理し、互いの価値を高め合う循環型の広報体制を提案しました。さらに、これらの施策を単なる労働支援ではなく学生の継続的な学びや経験に繋げる仕組みとして、学生主体の組織「たすえむ応援隊」の結成を提言。大学の枠を超えて企業や行政、メディアへも繋がりを広げることで、原田氏や鵜養地区を長期的・持続的に支える関係人口の拡大と地域づくりのビジョンを打ち出しました。お米ブランド『たすえむ』を営む原田さん
たすえむ応援隊」の結成を提言
意見交換
発表後の意見交換会では、長年農業に携わってきたベテラン農家の方々や新規参入農家の方々から、「学生が1泊2日で深く地域に入り込んでくれた成果が見えた」「若い視点での提案が非常に新鮮だった」といった温かいコメントや鋭いご質問をいただき、活発な議論が交わされるとともに、ご出席いただいた関係機関の皆様からも、学生の提案に対して大きな期待と温かいエールが寄せられました。- 地域行政・自治協議会からは、「地域の本質的な魅力である『水』や『自然環境』に着目してくれたことが嬉しい。過去の地域の歴史や情報基盤の整備といった視点も組み込みながら、ぜひ今後も地域との縁を深めてほしい」とのアドバイスをいただきました。
- 商工会からは、「プレゼンの構成や完成度が素晴らしく、若い世代が何度も『鵜養』の名を呼んでくれたことが何より嬉しい。イベント出店や販路拡大、SNSを活用した情報発信など、商工会としても学生のアイデア実現をぜひバックアップしたい」との頼もしい申し出をいただきました。
- 新政酒造からは、「周遊サイクリングやSNSによる『応援隊』の組織化など、単なる『体験』にとどまらない持続可能な仕組みづくりへの挑戦を高く評価したい。今回の取り組みが一度きりで終わることなく、今後も地域との関係が継続していくことを心から願っている」と、今後の関わりの深まりに対する期待が述べられました。立場を超えた多様な関係機関からの助言と励ましを受け、学生たちにとっても自身の提案が社会や地域とどうつながっていくかを実感する貴重な機会となりました。
学生の提案に対して大きな期待と温かいエールが寄せられた
酒米の無農薬栽培を展開する新政酒造
地域振興や地元事業者の挑戦を支える商工会
本学は今後も、地域社会との連携のもと、現場のリアルな課題に触れる実践的な学びの場を提供し続けてまいります。学生たちの新鮮な発想と地域の方々の知恵を融合させながら、次世代の地域の未来を切り拓く人材を育成するとともに、持続可能な地域社会の発展と活力あるまちづくりに一層貢献してまいります。
流しそうめんで交流
竹を使った本格的な流しそうめんを実施!勢いよく流れるそうめんに歓声をあげながら、世代を超えて笑顔あふれる賑やかな時間を過ごしました。そうめんを味わいながら、地域の魅力を再発見するようなお話しや、昔ながらの暮らしの知恵などを伺い、参加した学生にとっても貴重な学びの機会となりました。学生の感想
- 現地調査で鵜養の皆さんとお話しする中で、この土地や水に対する深い愛着を肌で感じました。自分たちが何日も悩んで作り上げた提案に対して、地域の方々が涙を流して喜んでくださった瞬間は一生忘れられません。大学の講義室だけでは絶対に得られない『地域に寄り添うことの大切さ』を学ぶことができました。
- データに基づく将来予測(地球温暖化とユズの適地移動)や、SNS運用・生成AIの活用など、大学で学んできた知識を実際の地域課題にどう活かすかを徹底的に考え抜いた9日間でした。発表後に地域の方や関係機関の皆様から具体的なフィードバックをいただけたことで、自分の学びが社会に繋がる手応えと自信を得ることができました。
- チームの仲間と夜遅くまで議論を重ね、鵜養の魅力をどう伝えるか試行錯誤しました。成果発表会で終わりではなく、提案した『たすえむ応援隊』のように、今後も鵜養の一員として関わり続けたいと思っています。
- 鵜養に足を踏み入れた瞬間、澄み切った水の美しさと豊かな里山風景に息をのみました。発表会後の交流会で、鵜養の清流で冷やした流しそうめんを地域の方と一緒に食べて交流した時間は最高に楽しかったです。鵜養の魅力をもっと全国に広めていきたいです。
最後は参加者全員の最高の笑顔で締めくくられました。鵜養の今後の展開にぜひご期待ください!
フィールドワークの様子と鵜養の風景
伏伸の滝(ふのしのたき)
新政酒造が栽培する酒米

古民家の実態調査
空き家の実態調査
原木椎茸などを栽培する「うやしない農園」
実際に農作業を体験
秋田の伝統野菜も栽培
茅葺き民家や石積みの堰が残る日本の原風景を残す
収穫を待つ稲穂の海! 新政酒造が手掛ける酒米は自社栽培と地元農家との契約栽培を合わせ実に約34 haを誇る
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土蔵、井堰、社が織りなす景観美 シンボルツリーが地域を見守る
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実りの季節に導かれて 鵜養に咲く学生の笑顔♪
里山のせせらぎに癒やされて

