令和8年度入学式を執り行いました
福田裕穂学長は式辞の中で、「人口減少や産業構造の転換といった秋田の課題は、世界が直面する課題の縮図です。秋田で解決策を見出すことは、世界で通用する知を創ることと同義です。地方にいるからこそ向き合える本質的な問いがここにはあります。本学のビジョンである「知の器を広げる」教育のもと、世界へ羽ばたく力を蓄えてください。どうか本学で、タフに、優しく、挑戦的に、知の器を広げてください。皆さんが秋田県立大学で大きく成長し、未来の秋田、日本、そして世界を創造するプロフェッショナルへと羽ばたくことを心から願っています。」と新入生へメッセージを贈りました。
また新入生を代表して、生物資源科学部 生物環境科学科の 山谷 由佳 さん(秋田県/秋田南高校)が「日々の発見・感動を大切にしながら、常に未来の大きな目標を見据えて勉学に励むとともに、本学学生としての自信と誇りを持って自らを向上させ、先輩たちとともに本学の無限の可能性を切り拓いていくことを誓います」と力強く宣誓すると、在学生代表のシステム科学技術学部 建築環境システム学科4年 佐々木 耀淳 さんが「新しい環境では不安も大きいと思いますが、失敗を恐れず「やってみたい」という前向きな気持ちを大切にしてください。大きな目標だけでなく、サークルの見学や周囲への日々の挨拶といった身近な一歩も立派な挑戦であり、それらが皆様を大きく成長させます。多くのことに挑戦し、実りあるかけがえのない4年間を築き上げてください。」と新入生に歓迎と激励の言葉を贈りました。
新入生の皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。皆さんにとって実りある大学生活になることを祈念します。
■福田裕穂学長式辞
■写真はフォトギャラリーからもご覧ください。
福田 裕穂 学長 式辞
来賓祝辞 鈴木秋田県知事
新入生代表挨拶 山谷 由佳 さん
在学生からの歓迎の言葉 佐々木 耀淳 さん
学歌斉唱
大学院入学生 研究のさらなる深化!!
受付での様子
JA全農秋田から「サキホコレ」が贈呈されました
竿燈会が新入生歓迎の演技を披露(秋田キャンパス)
由利本荘市の皆さんがお出迎えして下さいました
先輩による学生自主研究発表(本荘キャンパス)
学長式辞全文
秋田県立大学、そして本学大学院に入学された皆さん、誠におめでとうございます。本年度、システム科学技術学部に251名、生物資源科学部に158名、両研究科修士過程に95名、そして博士後期課程に4名の新たな仲間を迎えることができました。教職員を代表し、心から歓迎いたします。ご家族・関係者の皆さまにも、衷心よりお祝い申し上げます。
本学は1999年に創立され、今年で開学28年目を迎えました。これまで一万人を超える卒業生を社会に送り出し、それぞれ、地域、日本、そして世界の第一線で活躍しています。ところが、皆さんが歩むこれからの時代は、これまで以上に大きな変化の時代です。世界は不安定さを増し、経済や産業の構造は急速に変わっています。秋田県もまた、少子高齢化や産業・農業の担い手不足という課題に直面しています。しかし私は、これを「危機」とは捉えていません。これは歴史的な転換点であり、大きなチャンスです。そしてその転換を担うのが、今日ここにいる皆さんです。
今、社会を根底から変えつつある技術があります。人工知能、すなわちAIです。とりわけ生成AIの進展は目覚ましく、産業も研究も、行政も教育も、生成AI抜きには語れない時代となりました。農業も、バイオも、材料も、エネルギーも、すべてがAI駆動型社会へと進んでいます。本学の学びも例外ではありません。しかし、ここで誤解してはいけません。AIは人間に代わる存在ではありません。AIは人間の能力を拡張する道具です。重要なのは、AIに使われる人間になるのか。AIを使いこなす人間になるのか。その違いです。AIは大量のデータを高速に処理できますが、何を問うかを決めるのは人間です。その結果を社会にどう活かすかを判断するのも人間です。そして倫理を担保するのも人間です。大学では、AIの技術だけでなく、それを使いこなす批判的思考力と倫理観を身につけてください。
秋田は「課題先進県」と言われます。しかし私は、秋田は「未来先進県」になり得ると考えています。「人口減少」、「産業構造の転換」、「地域の持続可能性」。これは世界が直面する課題の縮図です。だからこそ、秋田での解決は、世界でも通用します。多くの課題があるということは、解くべき多くの問いがあるということ。多くの問いがあるということは、研究の可能性が無限にあるということです。「農業とAI」「バイオとデータサイエンス」「エネルギーと材料科学」「地域社会とDX」、などなど。地方にいるから不利なのではありません。地方にいるからこそ、本質的な問いに向き合えるのです。
本学は、今後進むべき指針として制定した「ビジョン2033」に「知の器を広げる」教育を掲げています。その精神は、「タフであること」「優しくあること」そして、「挑戦的であること」です。タフであるとは、失敗しても立ち上がること。 優しくあるとは、他者と協働し、誰一人取り残さない姿勢を持つこと。挑戦的であるとは、未知に踏み出す勇気を持つことです。私の郷里、浜松には「やらまいか」という言葉があります。まずやってみよう、という意味です。完璧でなくていい。自信がなくてもいい。まず動くこと。試すこと。私は実験科学者です。最後に真理を決めるのは仮説ではありません。試し続け、実証することです。技術者としてその精神を体現した人物がいます。それは、私の郷里の先輩でHondaの基礎を築いた、本田宗一郎です。彼は失敗を恐れませんでした。「成功の裏には99%の失敗がある」と語り、試して、壊して、また試すことを続けました。しかし、その成功は一人では成し得ませんでした。経営を支えた藤沢武夫という存在がいました。「本田の技術と藤沢の経営」「本田の情熱と藤沢の戦略」。未来は、一人では創れません。仲間とともに創るのです。
本学は皆さんの挑戦を支える環境を整えています。国際連携もその一つです。アメリカのRutgers Universityをはじめとする海外協定校との交流が拡大しています。さらに昨年、東京大学と包括協定を結びました。秋田にいながら、世界とつながる。その舞台は整っています。あとは、皆さんが一歩踏み出すかどうかです。本学が第一志望ではなかった人もいるでしょう。しかし重要なのは過去ではありません。ここから何を創るかです。今は歴史の転換期です。社会が揺らぐ時代。AIが進化する時代。だからこそ、若い皆さんの挑戦が必要です。
秋田から未来を創る。日本を変える。世界に影響を与える。それは決して誇張ではありません。この会場にいる一人ひとりが、その可能性を持っています。どうか本学で、タフに、優しく、挑戦的に、知の器を広げてください。私たちは、皆さんを本気で支えます。皆さんが秋田県立大学で大きく成長し、未来の秋田、日本、そして世界を創造するプロフェッショナルへと羽ばたくことを心から願い、式辞といたします。
学長 福田 裕穂
