本学を会場に「第70回農業実験実習講習会」が開催されました

 令和8年8月19日(水)~21日(金)の3日間にわたり、公益財団法人全国学校農業協会主催「第70回農業実験実習講習会」が秋田キャンパスにて開催されました。

 本講習会は、高等学校農業教職員の科学的農業技術の向上を図ることを目的として、毎年、全国各地区で開催されています。東北地区の会場として本学にて開催されるのは2回目となります。今回は、全国の高校から30名の教諭が参加し、本学からは、生物生産科学科山口 誠之教授[専門:作物育種学]、生物環境科学科高階 史章准教授[専門:土壌学]、生物生産科学科藤 晋一教授[専門:植物病理学]の3名が講師を担当しました。

 講習会では、「農業と環境」をテーマに、3日間異なるプログラムで講義および実験実習形式にて行われました。参加者からは、「教員として勤務している中ではなかなか触れることのない分野を学ぶことができた。今回学んだことを今後の授業や生徒への指導に生かしていきたい」「普段顕微鏡を使うことはないため、実際に操作し、結果を確かめることで、農業に関する知識や技術をより深く理解することができた。」等の声があり、実践的な学びを通して、農業に関する理解をさらに深めることができ、大変有意義な講習会となりました。

19日(水) 「水稲の育種と品種」(講師:生物生産科学科 山口 誠之教授)

講義:水稲育種の現状と様々な育成品種 
 品種改良の流れやこれまでに育成されてきた水稲品種の変遷、イネの種子生産体制の課題などを説明。水稲育種が異なる地域や環境条件に適応した品種を育成するために続けられ、今後もより優れた品種育成を目指した育種が行われていることを学びました。

実習:水稲の簡易交配法と育成品種の比較
 本学実験圃場ビニールハウスにて、咲いていない花を取り除く等の事前準備のあと、穂の根本をそっと持ち、母親の花に花粉を振りかける交配作業を体験。水稲育種の基本である交配方法を実際に体験し、品種育成の流れを学びました。
 また、これまでに育成された歴代水稲品種の特徴を観察。当時のどのような環境条件に適合するよう育成されたのか考察しました。


生物生産科学科 山口 誠之教授


咲いていない花を丁寧に取り除く


交配を体験


山口教授のサポートの下、参加者同士で協力しながら実習を行いました


講義の様子

20日(木) 「高温に強い水稲栽培」(講師:生物環境科学科 高階 史章教授)

講義:高温気象に対応した水稲の栽培管理
 地球温暖化(気候変動)に伴う夏季の高温が、水稲の生育に及ぼす影響について説明。高温障害への対応策としての土壌管理や、東北地域における高温登熟耐性の基準品種の紹介がありました。

実習:水稲根の吸水活性の測定
 本学圃場にて、イネ茎基部を地表から15cmの高さで切断し、60分間の茎基部からの出液速度を、脱脂綿を用いて測定。切断した茎葉を用いて穂数・葉色を測定し、水稲根の吸水活性を確認しました。今回の実習の内容は、初めて行った参加者が多く、実際に水稲を用いて測定することで、普段とは異なる視点から観察する楽しさと新たな発見を得た様子でした。


生物環境科学科 高階 史章准教授


圃場にて実習


イネ茎基部を切断


測定器を使用してSPAD値を測る


第1葉、第2葉、第3葉の3回測定する


本大学院生(真ん中)が使い方を説明


参加者からの質問に対し、本大学院生(左)が的確に回答

21日(金) 「水稲に発生する病害虫」(講師:生物生産科学科 藤 晋一教授)

講義:水稲病害虫の発生生態
 水稲に発生する主要病害虫についてその発生生態と防除技術を学びました。また、化学合成農薬に依存しない防除技術を活用したこれからの農業のあり方について学修しました。

実習:水稲病害虫の観察と同定
 水稲病害虫および水稲病害の形態を顕微鏡で観察。形態的特徴から病害虫を識別する技術や、水稲への被害に関係していることを学びました。水稲病害の観察では、いもち病、ごま葉枯病、もみ枯細菌病などの約10種類以上の病害を目視で確認後、顕微鏡で特徴や形態を観察。参加者は顕微鏡の使い方に苦戦している姿もありましたが、病害の種類による違いを知り、顕微鏡観察の面白さを感じている様子がありました。


生物生産科学科 藤 晋一教授


実習の様子


既に病害が確認された箇所や発病の可能性がある箇所を目視で確認


顕微鏡観察


病害によってさまざまな形の胞子が見えた


顕微鏡の不具合は、本大学院生(右)が対応!!


学生にとっては、参加者の皆さんとの交流ができる貴重な機会となりました

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