【開催報告】キャップストーンプロジェクトシンポジウム/レッドクリフ代表取締役/CEO佐々木孔明 氏 特別講演会

 令和8年7月9日(木)、秋田拠点センターALVEにて、本学独自の実践型演習科目「キャップストーンプロジェクト」の成果を発表するシンポジウムを開催いたしました。当日は、課題解決に向けて共に歩んでくださった企業や行政の皆様をはじめ、一般市民の方々や本学の学生・教職員など約300名もの皆様にご来場いただき、会場は熱気に包まれ大盛況のうちに幕を閉じました。ご多忙の折、足をお運びいただき、学生たちの挑戦と試行錯誤の成果を見届けてくださった皆様に、心より深く御礼申し上げます。
 

キャップストーンプロジェクト成果発表

 「キャップストーンプロジェクト」は、企業や実社会が直面している現場の諸問題に対し、学生が企業等と連携して解決策を導き出す産学連携の実践プログラムです。令和7年度はシステム科学技術学部の47グループがこの課題解決に挑戦。本シンポジウムでは、その中から選抜された10グループと生物資源科学部アグリビジネス学科の4グループが、学生ならではの柔軟な視点と専門技術を融合させた成果を堂々と発表しました。
 

ビジネスプランコンテスト成果発表

 令和7年12月6日に開催された「ビジネスプランコンテスト」で受賞した4グループの成果発表も同時開催され、活発な意見交換が行われました。本コンテストは、ビジネスアイデアをもとに起業に向けた検証を行う「アイデア部門」と、検証成果を示し本格的な起業を目指す「起業部門」の2部門で構成され、単なるアイデア出しにとどまらず、大学での高度な研究の成果や技術シーズと秋田県の地域課題を掛け合わせた、実用性の高いビジネスプランの提案が多い点が大きな特徴です。
 

【今回発表を行った主なグループ】 キャップストーンプロジェクト・ビジネスコンテスト発表18グループはこちら
 機械工学科 × Orbray(株):『精密アライメント技術の開発―1μmへの挑戦―』
 知能メカトロニクス学科 × (株)デンソー岩手:『見えない敵を可視化せよ!半導体装置内の生成物図鑑プロジェクト』
 情報工学科 × 東日本旅客鉄道(株):『「沿線画像」を用いた支障樹木特定手法の検討』
 建築環境システム学科 × (株)トクミツ建築企画設計:『建築現場のリアルな課題を解決するDX計画』
 経営システム工学科 × (株)宮越商店(連携窓口NTT東日本秋田支店):
  『地域資源(歴史資源・自然・文化)を活用した地域活性化につながる観光戦略の立案、観光コンテンツの開発』

 アグリビジネス学科 × 陽気な母さんの店(株):『体験交流型直売所における加工施設の稼働率向上に向けた提案』

特別企画:株式会社レッドクリフ 代表取締役 佐々木孔明 氏による特別講演会

 国内最大規模のドローンショーを牽引し、世界を変える30歳未満の30人「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2024」にも選出された、株式会社レッドクリフ代表取締役/CEOの佐々木孔明氏(秋田市出身)をお招きし、「ドローンで描く未来社会のデザイン 〜夜空に新しい価値を創造する〜」と題し特別講演を行いました。大学在学中にドローンを手に世界一周へ旅立ったエピソードや、海外でドローンショーを目にした瞬間に「夜空を巨大な広告媒体・エンターテインメントの舞台にする」という未来の可能性を確信した創業期の熱い想いが語られました。また、先駆者として日本にドローンショーを実装するまでの資金調達や技術的な試行錯誤、さらには「大阪・関西万博」でのギネス世界記録™更新といった数々の挑戦の裏舞台も紹介されました。特に印象的だったのは、幼少期に見た「大曲の花火」という空を見上げる原風景が佐々木氏の根底にあり、現在は「ただの光の演出ではなく、その土地ならではのストーリーを夜空に描き、地域に新たなにぎわいを生み出す地方創生コンテンツ」としてドローンショーを位置づけているというお話です。 最先端のイノベーションと地域への想いが融合した刺激的なメッセージに、参加者は深く聞き入り、会場全体が未来への希望と熱気に包まれました。
 

パネルディスカッション

 シンポジウムの締めくくりには、佐々木孔明氏と本学学生によるパネルディスカッションを開催しました。「未来社会のデザイン」や「地域課題へのアプローチ」をテーマに、最前線で活躍する起業家の視点と学生のみずみずしい感性がぶつかり合う、大変有意義な議論が交わされました。本学は今後も、このような実践的な産学連携教育を通じて、地域の発展や企業の課題解決に貢献できる人材の育成に努めてまいります。
 

広報担当より

 広報担当として、企業と学生が本気でぶつかり合い、試行錯誤を重ねたキャップストーンの現場をいくつか間近で見届けてきました。熱気あふれる現場の空気感、そしてこの経験がもたらす未来への可能性を大いに実感しました。学生たちの「なんとかしてこの課題を解決したい」という真っ直ぐな情熱と、それを受け止めて並走してくださった企業の皆様の懐の深さに、深く感謝いたします。キャップストーンを通じて得られた最大の成果は、単に課題の解決策を導き出したことだけではありません。失敗を恐れず、現場に足を運び、泥臭く試行錯誤する「実践知」を身につけた彼らは、これからの社会、そして日本の未来を引っ張る強力な原動力になると確信しています。秋田県立大学は、これからも地域に開かれた「知の拠点」として歩みを進めてまいります。