本学大学院生が糸状菌分子生物学コンファレンスで学生優秀ポスター発表賞を受賞しました

 令和4年11月24日(木)~25日(金)にオンライン形式で開催された「第21回糸状菌分子生物学コンファレンス」において、大学院・生物資源科学研究科 博士前期課程1年の阿部晴紀さん(応用生物科学科微生物機能グループ)が、学生優秀ポスター発表賞を受賞しました。

 阿部さんは、幼少期から菌類とりわけキノコに興味を抱き 、微生物や菌類について深く学ぶため秋田県立大学に入学しました。入学後は、指導教員の村口 元 准教授[専門:菌類遺伝学]の研究指導の下、1・2年生を対象とする学生自主研究制度を活用し研究をスタートし、その後も学部そして大学院と一貫してキノコの研究を続けています。 
           
 キノコの不思議な世界に魅了され、その謎を解き明かすためコツコツ努力を積み重ねた結果、本賞の受賞に繋がりました。
   
☆研究発表タイトル
 『ウシグソヒトヨタケの傘成熟に必要な暗期とCcChd1タンパク質と減数分裂の関係性 』
  阿部晴紀、三村怜、畑中こずえ、村口元

☆研究概要
 モデルキノコ「ウシグソヒトヨタケ」の子実体(キノコ)が成熟するには、明るい時期と暗い時期が交互にある明暗周期というものが必要です。暗期を与えない連続明条件下では傘成熟が途中で止まり、減数分裂の進行が第一減数分裂前期で停止してしまうため、傘成熟には暗期が必要であることが報告されていました。しかし、その暗期における分子メカニズムはほとんどわかっていませんでした。当研究室において、暗期を与えているのにも関わらず連続明条件下と似た外観を示す突然変異体を見出し、この原因遺伝子が暗期の反応に関わっていると予想し特定したところ、CcChd1というタンパク質をコードする遺伝子でした。本研究では、CcChd1タンパク質と減数分裂そしてウシグソヒトヨタケの傘成熟に必要な暗期との関係を調べました。

☆受賞コメント
 この度は、「第21回糸状菌分子生物学コンファレンス」において学生優秀ポスター発表賞を授与いただき、大変光栄に思います。私は幼い頃からキノコの研究をしたいと考えていたので、今回自分と先輩方が行った研究がこのように評価され、願いが叶ったという思いです。また今回の大会で様々なキノコ・菌類の研究者の方々と意見を交換でき、良い刺激となりました。私のキノコ人生はこれからが本番だと思い、先生や研究室メンバー、そして両親に感謝をしながら研究に励んでいきたいです。
 
 令和元年度学生自主研究 『シイタケの食品廃棄物を利用した小型菌床栽培』秋田県立大学機関リポジトリにリンク
 

受賞した阿部晴紀さん

指導教員の村口 元 准教授と


 


研究材料のウシグソヒトヨタケ


博士後期課程の柿崎哲哉さんと秋田きのこの会に参加


接ぎ木実験の様子