学生自主研究・卒業研究の成果によりハンドクリームが商品化されました

 生物資源科学部生物生産科学科の 川上 寛子助教(植物資源創成システム研究室 [専門:植物工学])が指導した学生自主研究および卒業研究の成果と、自社ファームでエゴマの栽培や加工を手掛ける東商事㈱等との共同プロジェクトにより、ハンド&ボディクリーム『N/A(エヌエー)』が完成し、12月20日(火)、秋田県庁でお披露目されました。 

 エゴマはシソ科に属する植物で、種子から油を搾油されて利用されるほか、一部地域で葉も食用に用いられています。東商事㈱はエゴマから「エゴマ油」を生産した後に大量に廃棄せざるを得ない搾かすの活用方法について検討していました。
 
 一方、学部1・2年生を対象とする本学独自の教育プログラム「学生自主研究制度」を活用し、「廃棄物から化粧品素材を探索する研究」に取り組んでいた、生物生産科学科の菅原 輝美さんと竹内 伶さんの研究の目的に合致することから、廃棄される搾かすを提供いただき分析した結果、エゴマ種子搾かすの抽出物に抗酸化作用のある物質が検出されました。
    
 その後、真崎 舞雪 さん(2020年3月生物生産科学科卒)が卒業研究の一環として研究を深化し、エゴマ種子搾かすの抽出物には既知の抗酸化物質である、ロスマリン酸やルテオリン、アピゲニンが豊富に含まれることを明らかにしました。さらに、川上助教が、それら活性物質を効率的に抽出できる条件等を検証(令和3年度受託研究:「化粧品原料の開発を目指したエゴマ由来抗酸化活性物質の探索と同定」)するなど研究を積み重ね、東商事㈱及び㈱坂本バイオへ研究成果を還元することで、本商品の開発・商品化へ繋がりました。

 完成したハンド&ボディクリームは、ベタつきがなく、しっとりさらりとしていて、つけ心地がとても良く、森林のような自然を感じさせる爽やかな香りが特徴です。また、商品開発の過程では、香りやパッケージデザインの企画についても学生が参加し、パッケージの原案には真崎さんの案も盛り込んでいただきました。

 商品は、東商事㈱「Cocopelliオンラインストア」のほか、12月20日(火)から、秋田県産品プラザ、佐野薬局本店・広面店の3か所でも販売しており、今後、販路を拡大する予定です。
   


左から 竹内伶さん、菅原輝美さん、川上寛子助教、東商事㈱若泉裕明代表取締役、加藤咲子さん、東電化工業㈱小松博依さん 

菅原輝美さんのコメント

まさか自分たちの学生自主研究の成果により商品化されて驚いていますが、研究を粘り強く進めた結果として率直に嬉しい気持ちで一杯です。食品廃棄などの問題について考えるきっかけになってほしいです。

竹内伶さんのコメント

学生自主研究では、ごみを減らしたいという思いで研究を進めましたが、実際にエゴマの搾りかすを使用して化粧品が完成し、結果としてごみを減らすことができて嬉しいです。

今回の記者発表会を受け、多数のメディアにて紹介していただきました!

■紹介していただいたメディア一覧
※リンクのあるものは各メディアのページ(外部リンク)が開きます。
ABS秋田放送 ニュースevery
AAB秋田朝日放送 トレタテ!
AKT秋田テレビ Live News あきた
NHK秋田 ニュースこまち
秋田魁新報
朝日新聞
読売新聞
河北新報