「秋田発の新規需要米」の開発について
「秋田発の新規需要米」の開発について
生物資源科学部の藤田直子教授(生物生産科学科)らの研究グループでは、開学以来コメの澱粉の研究に取り組んでいますが、このたび、「秋田発の新規需要米」として、ジャポニカ米由来の高アミロース米である「K1」および「A2」と難消化性澱粉(RS)を多く含む高RS米である「A6」の3種類のコメを開発しました。
平成30年中に品種登録の申請を予定している高アミロース米は、「K1」と「A2」の2種類です。「K1」は、粘りが少なくパサパサとした食感であることが特徴で、油との相性が良く、ピラフやチャーハンなどの外食・冷凍食品用としての活用が期待されます。同じく「A2」は、多収量が見込め、米粉にしてうどん等に混ぜると美味しさが増します。また、従来の高アミロース米は、インディカ米の血が入っていましたが、「K1」「A2」は、いずれも純ジャポニカ米由来となっています。
平成31年中に品種登録の申請を予定している高RS米「A6」は、低カロリーながら高い満腹感を得ることができ、ヒト試験により食後の血糖値上昇を抑制する効果が証明されています。そのほかに大腸環境を改善する可能性も指摘されていて、糖尿病患者やその予備軍の食事としての活用も期待されます。
なお、「K1」「A2」「A6」は、いずれも遺伝子組み換え体ではなく、突然変異によって得られたユニークな澱粉を生産する変異体と、従来から本県で育成されている品種を掛け合わせる(戻し交配)ことで生み出されたものであるため、品種登録後は一般の農家でも栽培することが可能であり、‘あきたこまち’などの通常米と同等以上の収量を得ることができます。