能代高校の生徒が「昆虫食」の研究に取り組みました

 8月19日、本学の共同研究員をしている能代高校の東海林拓郎先生が3名の生徒を引率して秋田キャンパスを訪問しました。

 東海林先生は、本学2期生(2004年3月卒業)で生物資源科学部生物環境科学科を卒業後、本学の博士前期課程(2006年3月修了)及び博士後期課程(2009年3月修了)。環境NPO法人勤務を経て、一般社団法人あきた地球環境会議を設立。現在は、博士教員として生物や課題研究などを指導されております。

 本学在学時は自然生態管理学研究室に所属し、生物環境科学科の石川祐一准教授の指導の下、「西オーストラリア穀倉地帯の不良土壌修復に関する研究」に取り組み、乾燥している小麦地帯で、地下から上がってくる塩水によって小麦収量が低下する問題に対処するために、資材を効率的に施用する研究を製粉会社と共同で実施しておりました。 
  
 現在、東海林先生と生徒は、「昆虫食」の課題研究に取り組んでおり、今回は昆虫食の材料としているコオロギの栄養分の成分を分析・評価するため、応用生物科学科(食品醸造グループ)の石川匡子准教授、矢野裕子助教を訪問しました。

 白衣に着替えた生徒は、実験作業の内容や注意事項について説明を受けたあと、食品の成分であるタンパク質、脂質、灰分の測定に挑戦しました。高タンパクであると言われている昆虫食にどの程度のタンパク質の成分が含まれているか調べるため、午前中は濃硫酸、過酸化水素水、分解促進剤を加えた後に加熱し分解し、午後からは、分解が終了した試料を蒸留して、どの程度のタンパク質が含まれているか定量しました。その他、ソックスレー抽出装置を用いて、昆虫食中に含まれる脂質量を測定することや、灰分測定では、るつぼに入れたサンプルを550℃で加熱し灰にして、その重量を測定しました。
 
 生徒の皆さんは、昆虫食に無限の可能性を感じており、正確さと繊細さが求められる今回の難しい実験にも粘り強く最後まで真剣に取り組みました。
 今後も引き続き、昆虫食の研究を深めていただき、多くの人に昆虫食の魅力を伝えていただきたいと思います。 
 

左から2番目が東海林拓郎先生