本学教員の論文が「現代思想」に掲載されました

 令和3年12月21日に発売されます、「現代思想2022年1月臨時増刊号 総特集=ウィトゲンシュタイン-『論理哲学論考』100年-」に、本学総合科学教育研究センターの鈴木 祐丞 助教[専門:哲学]の論文、「ウィトゲンシュタインの「宗教的観点」――『論考』とトルストイ、『探究』とキェルケゴール」が掲載されました。

★鈴木 祐丞 助教のコメント
 20世紀を代表する哲学者ウィトゲンシュタインには、『論理哲学論考』(1922年)、『哲学探究』(1953年)という二つの代表作があります。どちらも現代哲学に大きな影響を与えました。これらは、同じく言語と論理をめぐる哲学的考察でありながら、前者は体系的で理論的な説明を希求し、後者は現象をありのままに見つめ記述しようとする点で、まったく思考の態度が異なります。ウィトゲンシュタインの宗教とのかかわりに着目してみると、こうした思考の態度の変化の背後に、じつは彼自身の生き方の変化が存在していたことが透かし見えてきます。このような解釈を提示する本稿により、ウィトゲンシュタインの哲学のみならず、哲学という営みそれ自体について、新たな理解への道がひらけるかもしれません。