【学長メッセージ】保護者の皆様へ

 秋田県立大学学長の小林淳一でございます。この度、本荘キャンパスに在籍する複数の学生が、新型コロナウィルスに感染しました。まずは、保護者の皆様に対しましては、ご心配をおかけしましたことを深く反省し、お詫び申し上げます。

 大学としてはリスク管理規定に基づき、直ちに「新型コロナウィルス感染症対策本部」を設置し、感染した学生の病状を把握しながら、ヒアリングによって濃厚接触者と思われる人たちをリストアップし、その情報を保健所に提出し、少しでも早くPCR検査が受けられるよう指導しました。本荘キャンパスでは直ちに学生を帰宅させ、自宅待機の措置をとりました。学生たちの中には不安を感じた人も多かったと思いますが、大学の指示に対して迅速かつ冷静に対応してくれました。幸い、現在までに学内での感染拡大は見られていません。従いまして当面オンラインでの授業をスタートさせて、感染収束を確認しながら、年間教育スケジュールに戻していくことにしています。一方、秋田キャンパスにおいては、感染者がいないことから、感染防止の注意喚起を徹底し、通常の授業を行っています。また学生に対しては、感染者や関係者を特定して差別的取扱いをしたり、むやみに非難したりすることがないよう、人権尊重と個人情報保護に努めるよう通達しています。

 本学ではBCP(事業継続計画)を新型コロナ発生当初に定め、感染レベルに応じた対応指針を共有し、様々な行動制限を実施してきました。また、新型コロナウィルス感染症対策については、全国の感染状況に応じて出される国や県からの方針、指導に基づき、本学対応方針をその都度改訂し全教職員、全学生に周知してきました。また、キャンパス内での感染防止対策もきめ細かく行っています。長期休暇の際は、帰省先での感染防止、秋田に戻った際キャンパスへのウィルスの持ち込みがないように事前の健康観察指導もしてきました。サークル活動についても感染状況に応じて活動制限をかけてきました。しかし、今回の事案はダンスイベントに参加し、そこで感染したものです。秋田は感染者が少ない状況でしたので、どこか気の緩みがあったかもしれません。大学としては、本件を深く反省し、感染に対する緊張感と感染防止行動の重要性を再認識したところです。

 本件に対して、保健所からは「行動については様々な角度から反省し、今後このようなことがないよう気を引き締めて欲しい。」という指導がありました。私としては、このことを受け、学生へのメッセージとして、今後同様のことが起きないように慎重な行動をとるよう改めて伝えました。その中で、このイベントに参加した学生諸君には、今回の自分達の行動をしっかりと反省して、再発防止に努めること、また、他の学生においては、ふとした気の緩み等により同じようなことが自分の身にも起こり得ると考えて、本件を自分の感染対策行動を引き締めるきっかけとするように伝えました。具体的なメッセージとして、学生に対しては、「新型コロナウィルス感染症に係る注意喚起について(通知)」「学長メッセージ」を、一般社会に対しては「新型コロナウィルス感染者の発生について」の第1報第2報をホームページに記載しました。

 緊急事態宣言が3回も繰り返されることにより、人々はだんだん宣言慣れしています。その証拠に街中の人流が普段と変わらないぐらい増えています。つまり感染リスクが確実に増えています。また感染力の強い変異株も現れています。ワクチン接種もまだ時間がかかります。この様な状況を踏まえ、本学としては、感染防止対策をさらに徹底していく所存です。保護者の皆様におかれましては、引き続き本学へのご理解とご協力をお願いする次第です。

令和3年7月5日
秋田県立大学 学長 小林 淳一