本学大学院修了生が東北畜産学会奨励賞を受賞!!

本学大学院生物資源科学研究科修士課程の
修了生が東北畜産学会奨励賞を受賞!

 

本学大学院生物資源科学研究科修士課程修了(平成23年3月修了,動物分子工学研究室)の相馬未來さんは,平成23年9月8,9日に青森県青森市で開催された第61回東北畜産学会大会の総会において「東北畜産学会奨励賞(第10号)」を受賞し,表彰されました。

東北畜産学会は,畜産に関する学術の進歩を図り,併せて東北地域における畜産業と畜産技術の発展に寄与することを目的としています。最近は,優秀な家畜を大量に生産することができる受精卵移植技術や体細胞クローン家畜の作出技術の進歩にあわせて,先端的な動物バイオテクノロジー(ウシ腸管免疫の研究に有用なウシ培養細胞の作出,哺乳動物における新たな内分泌制御機構に関する研究など)の研究も行われています。

本賞は学生・社会人の区別無く,優れた研究業績を挙げた大学・国・県に所属する40才以下の若手研究者に授与されます。これまでに相馬さんは,平成21年度東北畜産学会第59回大会において優秀発表賞を受賞しました(本コラムバックナンバー09.09.17参照 )。さらに,東北畜産学会報(論文タイトル:マウス胚盤胞から樹立された3種の幹細胞におけるEGAM1ホメオドメインタンパク質群mRNAの発現解析,2011年第60巻)およびバイオテクノロジー専門の海外学術誌Biotechnology & Biotechnological Equipment誌(論文タイトル:Factors affecting the expression of differentiation marker genes for the primitive endoderm lineage in a mouse extra-embryonic endoderm stem cell line, XEN26 cells, 印刷中)に筆頭著者として原著論文も発表しました。これらの研究業績が高く評価され,この度の奨励賞受賞につながりました。受賞研究課題は,「マウス胚盤胞から樹立された3種の幹細胞におけるEGAM1ホメオドメインタンパク質群mRNAの発現動態と細胞分化との関連に関する研究」です。また,動物分子工学研究室からは2年連続の東北畜産学会奨励賞受賞者となります。

ES細胞,胎盤幹細胞,卵黄嚢幹細胞は,哺乳動物の受精卵から取り出すことが出来る細胞たちです。これらの細胞は胎仔の形成と妊娠の維持に重要であり,しかもそれぞれ異なる細胞群に変化することが出来ます。また,相馬さんが所属する動物分子工学研究室では,哺乳動物の受精卵から独自にEGAM1ホメオドメインタンパク質群を発見し,受精卵の発育や胎仔の形成に重要な役割を果たしていることを見出しています。相馬さんは,ES細胞・胎盤幹細胞・卵黄嚢幹細胞におけるEGAM1ホメオドメインタンパク質群の遺伝子発現動態と細胞分化との関連を明らかにしました。現在,動物分子工学研究室では相馬さんの研究成果を発展させて家畜の妊娠率を高める研究にも着手するなど,畜産領域への応用を見据えた研究が進められています。

 

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 相馬未來さん 近影 立派な表彰状!
研究室の後輩大学院生(3名)と学部4年生(2名)と。

 


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