本学大学院修了生が東北畜産学会賞(奨励賞)を受賞!!
本学大学院生物資源科学研究科修士課程の修了生が
東北畜産学会賞(奨励賞)を受賞!
本学大学院生物資源科学研究科修士課程修了(平成25年3月修了,動物分子工学研究室所属)の佐藤匠さんは,平成25年8月29,30日に山形県山形市で開催された第63回東北畜産学会大会の総会において「東北畜産学会賞(奨励賞第14号)」を受賞し,表彰されました。
東北畜産学会は,畜産に関する学術の進歩を図り,併せて東北地域における畜産業と畜産技術の発展に寄与することを目的としています。天然記念物「比内鶏」の種の保存のためのキメラニワトリ作出技術の開発や,ヒトの不妊治療にも応用されている,顕微授精技術を用いたブタ受精卵の作出に関する研究報告も行われています。
【H25年9月21日,研究室に来室した佐藤匠さん】 |
本賞は学生・社会人の区別無く,優れた研究業績を挙げた大学・国・県に所属するおおむね35才以下の若手研究者に授与されます。これまでに佐藤さんは,平成24年度東北畜産学会第62回大会において優秀発表賞を受賞しました(本コラムバックナンバー2012.09.13参照)。さらに,東北畜産学会報(論文タイトル:未分化状態維持または細胞分化に関与するマウスEGAM1ホメオタンパク質群の細胞内分布部位に関する解析,2013年)およびバイオテクノロジーの国際学術誌Journal of Bioscience and Bioengineering誌(論文タイトル:Intact structure of EGAM1 homeoproteins and basic amino acid residues in the common homeodomain of EGAM1 and EGAM1C contribute to their nuclear localization in mouse embryonic stem cells,2013年),動物科学の国際学術誌Animal Science Journal誌(論文タイトル:Common nucleotide sequence of structural gene encoding fibroblast growth factor 4 in eight cattle derived from three breeds,2012年)に筆頭著者として原著論文3報を発表しました。これらの研究業績が高く評価され,この度の学会賞(奨励賞)受賞につながりました。受賞研究課題は,「哺乳動物の発生過程を制御するEGAM1ホメオタンパク質群の機能発現に関する研究」です。また,動物分子工学研究室からは3人目の東北畜産学会賞(奨励賞)受賞者となります。
佐藤さんが所属した動物分子工学研究室では,独自に,哺乳動物の受精卵から転写因子であるEGAM1ホメオドメインタンパク質群を発見しました。そして,受精卵の発育や胎仔の形成に重要な役割を果たしていることを見出しています。佐藤さんは,EGAM1ホメオドメインタンパク質群による遺伝子発現制御機構の一端を明らかにしました。
現在,動物分子工学研究室では佐藤さんの研究成果を発展させ,動物の妊娠率を高める研究にも着手するなど,医学領域や畜産領域への応用を見据えた研究が進められています。
【研究室に来室した佐藤匠さん(中)と後輩の 大学院生(左),学部4年生(右)】 | |
【立派な表彰状です! 研究室の後輩(大学院生3名,学部生4名)と,研究室に来室した森祐貴さん(H25年9月22日来室,H25年3月修士課程修了,最後列)】 |