県立美術館・藤田嗣治企画展に本学教員制作の模型が展示

県立美術館・藤田嗣治企画展に本学教員制作の模型が展示
―建築環境システム学科―

 

 

 このほど(新)秋田県立美術館が本格オープンし、開館記念特別展「壁画《秋田の行事》からのメッセージ ―藤田嗣治の1930年代」の展示が行われています。
 特別展の冒頭、藤田が壁画「秋田の行事」を制作した現場とされる「平野家の米蔵」の復元模型が来場者を出迎えます。この模型は、建築環境システム学科の込山敦司准教授とゼミの学生たちが制作したものです。

 

 壁画「秋田の行事」は、藤田の支援者であった秋田市の資産家・平野政吉が所有する米蔵をアトリエとして改装し、ここで制作されたと言われています。しかし米蔵は解体されて既に存在せず、現在は断片的な写真が残されているのみでした。このため、どのような空間で、また照明条件で、制作が行われたのか、込山准教授らが10分の1サイズの模型とCGによって復元を試みました。
 また、平野と藤田は戦前、藤田の作品を展示する場として秋田市に美術館を建設する構想を持っていました。この美術館は戦争の混乱によって建設されることなく幻と消えたものの、この図面が昨年平野家の親族宅から発見され、脚光を浴びています。込山准教授と、建築史を専門とする崎山俊雄准教授は、この「幻の美術館」の図面から不足する情報などを読み解き、その全体像を再現図面で制作しました。
 これらの成果は、開館記念特別展「壁画《秋田の行事》からのメッセージ ―藤田嗣治の1930年代」で見ることができます。会期中は無休。11月10日まで。

 

 

会場に展示されている米蔵の模型

会場に展示されている米蔵の模型