「秋田の行事」制作現場の復元模型を展示
「秋田の行事」の制作現場(平野家の米蔵)の復元模型が
秋田県立美術館で展示
建築環境システム学科・込山敦司准教授が、秋田県立美術館の指定管理者である平野政吉美術財団より依頼を受け、藤田嗣治の大壁画「秋田の行事」の制作現場である「平野家の米蔵」の復元模型を作成し、このほど暫定検討モデルの1/25模型が完成しました。(制作協力:込山ゼミ4年生、山形由衣、佐々木遊、石井三保子)
この模型は現在、秋田県立美術館の「秋田の行事」の展示スペースに展示されています。
※今回の展示は、暫定オープンの新美術館ではなく、現美術館で行われています。
平野家の米蔵は、すでに解体されて現存しないため、わずかに残る正面及び複数の白黒内部空間の写真をもとに、作業中の壁画(壁画は現物があるため大きさの目安とできる)、人物の身長、モノの大きさなどと、断片的にうつっている柱や梁等の位置関係から分析しています。不明な部分については、秋田県内及び東北・新潟地区の現存する同等規模の米蔵を参考に、復元を試みています。
米蔵の復元の過程において、壁画のレイアウトや大きさが米蔵の大きさを最大限に利用したサイズだったことを今回確認することができました。また県内最大級だったと思われる米蔵は、米俵がおよそ6千俵おさまる規模だったと推測されました。
今回の復元模型では、上部架構などの写真がほとんどなく、不明な点が多いため、当時、実際に解体前までに米蔵を外からみた方、入ったことがある方個人所有の写真などで写っているものをお持ちの方を現在探しております。
また、類似した米蔵の事例(博物館や再利用で公開されていない個人所有のもの)についても、参考とするため、情報提供を呼びかけています。
今後は、追加で得られた情報を参考に、より大きなサイズの復元模型と、CGの作成を行い、次年度「秋田の行事」が(新)秋田県立美術館に移設されるのに合わせて展示を行う予定で作業を継続しています。
「平野家の米蔵」の暫定検討モデル(1/25模型) |