本学教員が令和5年度秋田わか杉科学技術奨励賞を受賞しました
このたび、令和5年度秋田わか杉科学技術奨励賞の受賞者が決定され、本学システム科学技術学部機械工学科の 藤井 達也 助教[専門:材料工学、先端加工研究グループ)が受賞しました。藤井助教は、高い耐熱性を持つ「ポリイミド樹脂」と、強度などに優れた炭素素材「カーボンナノチューブ」を組み合わせた複合材を創製するとともに、新しい3D積層造形のプロセスを実現し、航空・宇宙機を軽量化するための構造部材への応用、航空機や自動車などの金属部材に代替することなどを目指して研究を進めています。
本賞は、秋田県の若手研究者の研究開発意欲を高め、優れた研究者が持続的に輩出される環境を整備し、新産業・新技術の創出につなげることを目的に、平成19年度に秋田県によって創設されたものです。
研究テーマ
「航空宇宙産業を見据えた次世代耐熱複合材料の創製とその低コスト成形技術の開発」研究概要
本研究では、ポリイミド(PI)の前駆体であるポリアミック酸(PAA)をカーボンナノチューブ(CNT)に被覆したPAA被覆CNT粉末を用い、選択的レーザー照射技術と組み合わせることで、耐熱性と耐宇宙環境性に優れたPI/CNT複合材の創製と新規3D積層造形プロセスを提案します。実用的なPI/CNT複合材の実現は、宇宙用材料としての用途のみならず、航空機や自動車などの金属部材を代替できる可能性があり、軽量化による省エネへの貢献も期待されます。藤井 達也 助教 受賞コメント
この度は、令和5年度秋田わか杉科学技術奨励賞をいただき、誠にありがとうございます。本研究では、耐熱性、耐宇宙環境性、機械的特性のすべてを兼ね備えた次世代耐熱複合材料の創製を目指します。実用化に向けては、被覆粉末の量産、積層造形装置の開発、造形条件の最適化など、多くの課題が残っています。世界に誇るものづくり技術を有する地元企業等と連携強化を推進することにより、航空宇宙産業での実用化を目指し、地域産業の活性化に貢献していきたいです。今回の受賞を励みとし、引き続き研究を進めていく所存です。今後ともよろしくお願いいたします。
受賞した藤井助教 佐竹秋田県知事と記念撮影
(右)機械工学科 鈴木 庸久 教授
今後の研究の展望について知事と懇談
研究概要についてプレゼン
精力的に研究に取り組む藤井助教
学生と協力して研究を推進!!