本学大学院生が日本農芸化学会で優秀発表賞を受賞しました

 生物資源科学研究科 生物資源科学専攻 博士後期課程2年の井田 美帆さん【指導教員:植物機能グループ 水野 幸一 教授[植物代謝化学]】が、12月2日(土)に東北大学青葉山新キャンパスで開催された、日本農芸化学会東北支部第158回大会で研究発表を行い、優秀発表賞を受賞しました。おめでとうございます!!
 

受賞した井田 美帆さん

芳香成分の含量を高めた高付加価値なコーヒーの開発に!!

☆発表タイトル

 『コーヒー由来テルペン類二配糖化酵素遺伝子の探索』 
  井田美帆 川上寛子 水野幸一

☆研究要旨

 植物は様々な化合物を生成し、その多くは植物自身の生体維持や生長、生存に関与しています。その中でもテルペン類は身近な植物に多く含まれる揮発性の二次代謝産物の一種です。これらは食品や飲料に広く用いられている香料の原料であり、それらの美味しさや品質に大きく関与していることから、産業的にも重要な天然材料と言われています。テルペン類は、植物体内での生合成後速やかに大気中へ放出されますが、一部は”配糖体”として蓄積していることが報告されています。この配糖化は、UGT(UDP-グリコシルトランスフェラーゼ)と呼ばれる配糖化酵素が触媒しています。一方、アラビカコーヒーからは2種類のテルペン類配糖体が見出されていますが、その配糖化を担う酵素は未だ発見されていません。そこで、コーヒーにおけるテルペン類の配糖化を担う酵素遺伝子の解析を進め、テルペン類がコーヒー植物中にどのように蓄積しているのか、その仕組みを明らかにしたいと考えています。テルペン類の生合成および蓄積機構を明らかにすることで、他の成分はそのままに、芳香成分の含量を高めた高付加価値なコーヒー開発に繋げられるのではないかと期待しています。

☆受賞コメント

 この度は「日本農芸化学会東北支部第158回大会」にて、優秀発表賞をいただくことができ、大変光栄に思います。このような名誉ある賞をいただけたのも、日頃から手厚いご指導、ご助言をくださる水野幸一先生をはじめとする応用生物科学科 植物グループの皆様のおかげです。また、分析に関しては生物生産科学科の川上寛子先生から多くのご指導をいただき、これが大きな結果につながりました。今後も真摯に研究に取り組み、さらなる研究成果に繋げられるよう、日々研究に尽力していきます。
  

指導教員の水野幸一教授と

後輩達にとって井田さんは憧れの存在!!

日本農芸化学会

日本農芸化学会は、農芸化学分野の基礎及び応用研究の進歩を図り、それを通じて科学、技術、文化の発展に寄与することにより人類の福祉の向上に資することを目的ととした学会で同賞は、研究成果発表の中から、優秀な発表を行った学生に贈られる賞です。農芸化学は、生命、食糧、環境の3つのキーワードに代表されるような、「化学と生物」に関連したことがらを基礎から応用まで幅広く研究する学問分野です。