本学教員ら国際共同研究グループの成果が米国科学アカデミー紀要に掲載されました

 このたび、本学生物資源科学部の星崎 和彦 教授(生物環境科学科/森林科学研究室)や米国デューク大学のクラーク教授ら国際共同研究グループの研究成果が『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に掲載されました。

★プレスリリース資料

「老木の種子生産は減少するという世界的な証拠(令和3年8月10日) 」 
 
★掲載論文
著者:T. Qiu, M.C. Aavena Acuna, R. Andrus, D. Ascoli, Y. Bergeron, R. Berretti, M. Bogdziewicz, T. Boivin, R. Bonal, T. Caignard, R. Calama, J.J. Camarero, C. Clark, B. Courbaud, S. Delzon, S. Donoso Calderon, W. Farfan-Rios, C.A. Gehring, G.S. Gilbert, C.H. Greenberg, Q. Guo, J. Hille Ris Lambers, K. Hoshizaki, I. Ibanez, V. Journé, C.L. Kilner, R. Kobe, W.D. Koenig, G. Kunstler, J.M. LaMontagne, M. Ledwon, J.A. Lutz, R. Motta, J.A. Myers, T.A. Nagel, C.L. Nuñez, I.S. Pearse, Ł. Piechnik, J. Poulson, R. Poulton-Kamakura, M.D. Redmond, C.D. Reid, K.C. Rodman, C.L. Scher, H. Schmidt Van Marle, B. Seget, S. Sharma, M. Silman, J.J. Swenson, M. Swift, M. Uriarte, G. Vacchiano, T.T. Veblen, A.V. Whipple, T.G. Whitham, A.P. Wion, J. Wright, K. Zhu, J.K. Zimmerman, M. Zywiec, and J.S. Clark
表題:Is There Tree Senescence? The Fecundity Evidence
雑題:Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America.
論文掲載ページ 日本時間 8月24日解禁
 

★発表のポイント
・樹木は歳を重ねても幹は成長を続けますが、果実や種子を生産する能力も維持され続けるのか、それとも動物全般のように老化に伴って繁殖力は低下するのか、これまで統一した見解はありませんでした。

・日本を含む世界13か国の国際共同研究チームは北米、南米、アジア、ヨーロッパ、アフリカで観測されてきた種子生産に関する長期データをデータベースに統合し、これまで正確な推定が難しかった樹木個体の種子生産量597種59万本を対象として統一的に解析することに成功しました。その結果、80%近い樹種で、大径木になると種子生産量が減退または停滞することがわかりました。この結果は、老化説に関するより普遍的な、強い証拠を提示したものと言えます。

・樹木の果実や種子は森林再生に欠かせないだけでなく、私たちの食生活や野生動物にとっても重要で、本研究はこれら資源の管理・保全をより効果的に行う上で重要な成果です。