本学教員ら共同研究グループの成果が国際学術誌に掲載されました

 このたび、本学生物資源科学部の竹下 和貴 助教(応用生物科学科/微生物機能研究グループ)や
国立研究開発法人 産業技術総合研究所、北海道大学らの共同研究グループの研究成果が、
英国の学術専門誌『Nature Communications』に掲載されました。

★プレスリリース資料
「共生細菌のちからで害虫が農薬に強くなる助け合いの仕組みを解明」

(論文の掲載ページ)
『Nature Communications』にリンク

★ポイント
・昆虫と共生細菌が助け合って農薬を解毒する仕組みを初めて解明
・共生細菌の一つの遺伝子が、昆虫の農薬抵抗性に重要な因子であることを特定
・共生細菌の農薬分解遺伝子を標的にした新たな害虫防除法の可能性

(概要)
 害虫の農薬抵抗性において、腸内に共生する細菌による関与の仕組みは知られていない。産総研は他の機関と連携して、害虫カメムシの腸内で共生細菌がどのように農薬を解毒しているかを調査し、解毒に不可欠な共生細菌の遺伝子を特定した。共生細菌はこの遺伝子により、害虫の体内に入った農薬を速やかに分解する。しかし、農薬の分解産物は共生細菌自身に対して毒性を持つことがわかった。この物質は宿主である害虫に対しては無毒であり、害虫は速やかにこれを体外に排出する。その結果、共生細菌は農薬を解毒して、害虫の体内で生存し続けることができる。今回、農薬解毒過程において、害虫と共生細菌が相互作用していることを発見した。