令和3年度東光虻川ものつくり助成金研究発表会が開催されました

 3月25日(金)、東光鉄工本社で、「一般財団法人東光虻川ものつくり財団研究助成金事業」の研究成果発表会が開催され、本学生物資源科学研究科 博士前期課程1年の熊本隆人さん(指導教員:木材高度加工研究所 足立 幸司 准教授)が研究成果を発表しました。

 本助成金事業は、一般財団法人東光虻川ものつくり財団が、ものつくりの発展を促進するための支援及び環境整備を図ることにより、地域振興の促進、地域社会の健全な発展及び地域住民の生活の向上に寄与することを目的に2019年2月に設立され、今回が初めての助成事業となります。

【研究テーマ】
 『地域産木材資源の曲げわっぱへの利用可能性と白飯の保存効果の検証」

【研究成果の概要】
大館曲げわっぱに用いられているスギの供給持続性の確保に向けた取り組みが続けられる中で、今後、地域の森林資源の更なる活用が期待されます。本研究では広葉樹等の未活用資源に着目し、曲げ木用材として利用可能性と食品用保存容器としての曲げわっぱの機能性の検証に取り組みました。成果として、ニセアカシアやリンゴ材が曲げ木用材と同様の曲げ加工性を有することが明らかになりました。また、木製容器による米飯の含水率調整能や電子レンジ加熱の対応に向けた課題を明確にすることができました。

☆熊本隆人さんのコメント☆
曲げわっぱは天然スギから造林スギへの転換の背景があり、今なおスギが有名ですが、大館市周辺地域にはスギの他にもニセアカシアやリンゴなど魅力ある樹木があることを知りました。この研究をきっかけとして、地域で未活用の木材を将来的に使っていけるようになればと思います。一方で、研究の詰めが甘いところがあったので、残りの研究生活でさらに深めていきたいと感じました。
 

成果発表会の様子

成果発表会の様子

木材高度加工研究所で研究に励む熊本さん