本学大学院生が種生物学会シンポジウムでポスター賞を受賞しました

 12月3日(金)~5日(日) 、オンライン形式により開催された「第53回種生物学会シンポジウム」において、大学院・生物資源科学研究科(博士前期課程2年)の鈴木虎太郎さん(生物環境科学科/森林科学研究室)が、種生物学会ポスター賞を受賞しました。

 鈴木さんは、森林科学研究室の強固なチームワークと、指導教員の坂田 ゆず 助教の親身かつ丁寧な研究指導の下、ニホンジカの食害問題についてコツコツ研究を継続して取り組んだ結果、本賞の受賞に繋がりました。 

★研究発表タイトル
 『シカの採食を介して近隣植物が植物の被食率に影響するメカニズム
   ―シカの採餌行動と植物の栄養形質に着目して―』
  鈴木 虎太郎 坂田 ゆず(生物資源科学部助教)

★研究概要
 シカには好んで食べる植物種と嫌いな植物種があり、森の中では好きな種と嫌いな種が混ざって生育している状況が多いです。このような場合、植物がどのくらいシカに食べられやすいかは植物種ごとの好みだけではなく、近くに生えている植物の好みも影響します。例えば、「好きな植物でも周りに嫌いな植物が多いと食べられにくくなる」といった現象が見られ、これを連合効果と言います。私たちは連合効果の詳細なメカニズムを調べるために、野生のシカに対して様々な植物種を混植して提供する野外実験を行い、植物の被食パターンとシカの採餌行動、そして植物の栄養形質とのつながりを分析しました。その結果、植物の被食パターンを決める上ではシカの滞在時間と近隣の植物に対する忌避行動の頻度が重要な採餌行動であり、栄養形質との関連が考察されました。

★受賞コメント
 このような素晴らしい賞をいただく機会に恵まれたことを大変嬉しく思います。本研究は日頃からお世話になっています森林科学研究室の先生・学生の皆様や、植物の栄養分析をご指導・ご支援してくださった多くの研究室の方々のお力添えがあってこそ遂行できました。特に坂田ゆず先生には研究全般で大変お世話になっています。また、今回発表させていただいた種生物学会は学部3年生の頃から毎年参加している学会で、発表の度に多くの方々から貴重なご意見やアドバイスをいただきました。この場をお借りして改めて皆様に感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

被食前の葉数や茎長を測定

シカ柵を設置

様々な植物種を組み合わせてシカに提供

鈴木さんの出身地:大船渡市に位置する「五葉山」

修士論文を執筆中!!

植物・昆虫の標本づくりが趣味!!

研究室の仲間と

炭やき活動にも積極的に参加