本学卒業生の卒業論文が国際学術雑誌「Ecotoxicology」に公表されました

- 生物資源科学部 生物環境科学科 -
 
 令和2年度生物資源科学部生物環境科学科卒業された諏訪 享さん(大気・水圏環境学研究室に所属)の卒業論文「Acute toxicity assays using Danio rerio and Daphnia magna to assess hot-spring drainage in the Shibukuro and Tama Rivers (Akita, Japan)」が、国際学術誌「Ecotoxicology」に掲載されました。
 諏訪さんは現在、株式会社秋田県分析化学センターで活躍されています。

雑誌名:Ecotoxicology
論文タイトル:Acute toxicity assays using Danio rerio and Daphnia magna to assess hot-spring drainage in the Shibukuro and Tama Rivers (Akita, Japan)
著者:Kyo Suwa, Chiho Takahashi & Yoshifumi Horie
Webサイト:https://link.springer.com/article/10.1007/s10646-021-02514-2
 ※本研究の要旨はこちらをご覧ください。

★諏訪 享さんのコメント
 今回、国際学術誌「Ecotoxicology」に掲載して頂いたということで、まだ実感はわきませんが大変光栄に思います。これもご指導頂いた堀江先生をはじめ、研究にご協力してくださった高橋さん、研究環境を整えてくださった秋田県立大学のおかげだと強く思っています。私は「なぜクニマスが田沢湖から姿を消してしまったのか」ということを研究したくて、秋田県立大学に入学を決めました。そんな背景があってこそ、今回の国際学術誌への掲載、本当に嬉しいです。改めて、ご指導、ご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました。
 

★当時の指導教員 堀江 好文先生(現・神戸大学内海域環境教育研究センター)のコメント
 秋田県北東部の仙北市に位置する玉川温泉は、強酸性の温泉水を多量に湧出します。この温泉水は、中和処理施設を経て渋黒川に流出し、主流の玉川に合流した後に田沢湖に流入します。中性化政策によって改善されてきた現在の河川水や田沢湖水が、水生生物が生息可能になるまで改善されたのかは分かっていません。そこで本研究では、バイオアッセイを用いて現在の河川水や田沢湖水の水質を評価しました。バイオ(生物)アッセイ(評価)とは、化学物質に対する生物への反応を調べることで、その物質が持つ有害性を評価することができます。
 本研究では、バイオアッセイを用いて渋黒川・玉川の河川水が水生生物(甲殻類と魚類)に与える影響を明らかにしました。また、水生生物に影響を与えている毒性要因は何か?についても調べることができました。バイオアッセイを用いて、河川水の水生生物への有害性とその原因を評価できたことは、学術的に極めて重要かつ興味深い研究でした。
 学部生が筆頭著者として書かれた論文が、査読付国際学術誌Ecotoxicologyに掲載されることは非常に稀で快挙であると思います。このことは、秋田県立大学における研究指導と学術研究のレベルの高さを証明していると思います。
 


秋田県分析化学センター斎藤 康樹 課長さんと‼

★在学中の諏訪 享さん★

研究に没頭した大学時代‼

軽音サークル「たこばん」で活躍‼