本学教員の論文が英国生態学会誌「Journal of Ecology」に掲載されました

 このたび、本学生物資源科学部の坂田 ゆず 助教(生物環境科学科/森林科学研究室)の論文が、英国生態学会誌「Journal of Ecology」に掲載されました。

★プレスリリース資料
 「外来昆虫は外来植物が在来植物に与える負の影響を加速させる(令和3年6月3日) 」 
 
★掲載論文
 著者: Yuzu Sakata, Timothy P. Craig
 表題:Exotic herbivore reinforces competition between exotic and native plants
 雑誌:Journal of Ecology
 論文掲載ページ Publication date: Wednesday 2 June at 0501 UTC+1 日本時間 6月3日解禁
 

★発表のポイント
・北米原産の外来植物のセイタカアワダチソウが日本在来のキク科植物に直接的な競争と、昆虫を介した間接的な競争の両方から負の影響を与える一方で、原産地の北米では負の影響を与えないことが示されました。
・植物の相互作用の進化の歴史と、局所的な環境条件の両方を考慮することが、植物間の競争を予測し、外来植物の管理をより効果的に行うことにつながると考えられます。
・外来の植食性昆虫の導入が逆に外来植物の侵略性を高める場合があることが分かりました。

★坂田ゆず助教のコメント
外来植物と在来植物の関係に限らず、植物間の関係には、気候条件や他の生物との作用が密接に影響しています。本研究では、原産地と侵入地の両方において複数の圃場で植物を生育することで、植物間の関係がどのように築かれているのかについての理解が深まったと考えています。多様な環境において複雑に関わり合っている生物間の関係についてさらなる研究が望まれます。