鹿角市で地域発表会を開催しました

夏季集中研究・地域発表会を実施しました

建築環境システム学科・都市アメニティ工学研究室は、10月3日(日)に鹿角市花輪の関善賑わい屋敷において「夏季集中研究・地域発表会」を実施しました。

発表会の元になった夏季集中研究は、実際の都市及び建築を素材に計画やまちづくりについて集中的に調査・研究を実施するとともに、地域住民との交流を通じて知見を広める機会を創り出すことを目的としており、建築環境システム学科・計画学講座の院生・学部生23名が参加し、9月2日、3日に実施されました。調査では学生が、まち環境班、屋敷活用班の2グループに分かれ、フォールドワークや住民ヒアリング調査等を行い、地域のまちづくり資源となる建物や場所の洗い出し、活性化に向けての課題を検討しました。
今回の地域発表会では、地域住民、行政職員を招いて、花輪地区の住民主体のまちづくりや、地域の重要な文化資源の一つである(特非)NPO関善賑わい屋敷が管理する明治時代の商家(旧関前酒店)の活用法についての研究成果を発表しました。

 まち環境班の発表 屋敷活用班の発表
▲まち環境班の発表
▲屋敷活用班の発表
まち環境班では、まちの中心部にあるかづの銘酒やポケットパーク周辺の環境整備像とそのデザイン、老朽化が進む民族資料館の新たな活用方法、さらにこれらの地域資源を歩いてまわれるよう回遊性を高めるサイン計画の提案を行いました。
屋敷活用班では、屋敷と蔵の保存・活用方法について、NPOが継続的に人的資源と活動資金が確保できることを目指し、ハードとソフトの両面からの整備像と建物改修・デザインを提案しました。

また、発表後に行われた意見交換会では、大学スタッフと地元の参加者も交え、今回提案した取り組みの実現に向けた実施主体やスケジュール等について議論されました。実現のためには、長期的な視点で、地域住民・行政・専門家等のそれぞれの役割分担を明確にし、連携した取り組みを行うことの必要性が確認されました。

参加した学生は、準備段階も含めるとおよそ4ヶ月間の長期にわたり、現地調査の企画から研究成果のまとめ作業までの一連の課題にグループで取り組むという、通常の講義・実習ではできない貴重な経験を積むことができました。

最後になりましたが、調査・研究にご協力いただいた(特非)NPO関善賑わい屋敷の皆様、鹿角市花輪地区の住民の皆様、資料提供いただいた鹿角市役所の皆様、大変お世話になりました。

(建築環境システム学科 助教 小川 宏樹)
 
 意見交換会の様子 山口准教授とNPO会長の奈良氏
 ▲意見交換会の様子 ▲山口准教授とNPO会長の奈良氏

都市アメニティ工学研究室のWebサイト