アグリビジネス学科と蔵元との連携による日本酒「耕醸一如」

アグリビジネス学科と蔵元との協力による日本酒「耕醸一如」

 

 

 

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 平成22年3月に卒業された小野寺理騎さんをはじめとする、アグリビジネス学科の学生が農家と酒蔵の連携によって、農家経営の安定、さらに地域の活性化の一助となることを目的とした卒業研究「酒蔵と提携した酒米生産およびオリジナル商品の開発に向けた取り組み」をまとめ、「白瀑」醸造元の山本合名会社(八峰町)に製造をお願いしてできたものが純米酒「耕醸一如」です。

 

 酒米の品種は秋田県農業試験場が育成した「秋田酒こまち」で、県立大学生物資源科学部附属フィールド教育研究センターの水田で「大規模農業経営プロジェクト」に所属する9名の学生が、育苗から収穫まで一貫して管理し、米の乾燥調製もおこないました。酒米の田植え当日に強風・低温にさらされたため、生育が遅れてやや減収したが、約2トンの玄米を10月下旬に醸造元へ納入しました。

 

 商品開発で小野寺さんたちは主に酒質の選定やラベルの作成に関わりました。

酒質については、日本酒の消費量を増加させていくためには、若者にも飲みやすく、すっきりとしたものにしたいと考え、醸造元はその意図を汲んで独自の技術により華やかな香りのある軽快な飲み口に仕上げていただきました。

 酒は販売店で試飲してから購入することがむずかしいため、ラベルのデザインが大変大事であり、目につきやすく、高級感を印象づけることを念頭に、黒地をバックに赤の文字を入れることとしました。

 

 酒の名前については、小野寺さんをはじめグループ全体で1ヶ月以上も試行錯誤を繰り返した末「耕醸一如(こうじょういちにょ)」としました。これは耕すこと(米づくり)と醸すこと(酒造り)は一体で切り離せないことを意味しています。さらに、地域における農家と酒蔵がお互いに協力しあって共に栄え、ひいてはその地域全体の活性化にも貢献したいという念願が込められています。

 

 今回の酒造りは小野寺さんが本大学の体験カリキュラムで、仕込みの時期に山本合名会社に3週間住み込みでお世話になったことがきっかけとなっていますが、農家、酒蔵、地域が共に良くなりたいという学生の気持ちを醸造元に汲んでいただいた結果とも考えております。

 

 

【参考】

大規模農業経営プロジェクトとは

アグリビジネス学科の6つの教育研究グループの1つであり、イネ、ダイズ、ムギなど土地の利用型作物の生産技術を学ぶ。さらに、生産物の付加価値を高める食品加工、マーケティング、販売および経営などについて理論と実践を通じて学び、統合力・実践力のある人材育成を目指しています。