産学連携により研究成果が実用化されました

 この度、生物資源科学部生物生産科学科の 小川 敦史 教授(植物生態生理研究室、専門:作物生理学)が発明者の1人である特許『低カリウムホウレンソウおよびその栽培方法(特許第4792587号)』をベースにした高機能野菜、「低カリウムレタス」と「高鉄分レタス」が商品化されました。
  
 本商品は、環境インフラの設計・保守を手掛ける、旭テクノプラント(株) アグリ事業部カンパニー(岡山県倉敷市)が高機能野菜の量産化に成功・開発した商品で、『Dr.Commit』という名称でブランド化し、岡山県内のスーパーなどで販売されています。

 「高鉄分レタス」は国内初の商品で、鉄分の含有量は通常のレタスの5倍~10倍、生のホウレンソウの1.5倍。1パック(80g)あたりで牛レバー60gと同程度の2.4mgを含み、不足しがちな鉄分を1パックで1食分賄えるなど、鉄分不足を補い多様な消費者ニーズに応えることが期待されます。

 「低カリウムレタス」は、カリウムの量を2割以下に抑えており、腎機能の低下で摂取制限がある人口透析患者らに安心・安全なレタスを提供します。
 

関連特許

特許第6487304号 水耕栽培方法、葉菜類の製造方法、培養液、及び培養液製造方法 特許6487304 
知財ポータル「IP Force」にリンク  

小川敦史教授のコメント 

 世界の40億人以上が鉄欠乏であり、そのうち約20億人が鉄欠乏性貧血であり、世界保健機構(WHO)によれば、鉄欠乏症が栄養障害のうち最大のものと位置づけられています.その方々の食生活に少しでも貢献するために私たちの研究室で研究開発したのが「高鉄含有量野菜の栽培方法」です。この特許を利用し、日本で、いや世界ではじめて実用化販売された「高鉄分含有量レタス」です。味もとっても美味しいレタスです。

植物生態生理研究室