DNA配列の関係性を調べる手法を確立 インフルエンザウィルスの進化予測が可能に
生物資源科学部の小西 智一 准教授(生物環境科学科)は、DNA配列の関係性から翌年流行するインフルエンザウイルス株の予測をより正確に行う手法を確立し、その研究成果が、国際学術誌「Scientific Reports」に掲載されました。現在、DNA配列の解析は、血縁関係の推定、犯罪捜査及び環境調査など多方面で採用され、その有用性が認められております。また、DNAの配列間の関係を調べたり表示したりする様々な手法も多く作られております。その一方で、従来のDNA配列の解析手法は、多くが配列間の距離を推定しており、客観性に欠けるという課題が指摘されており、客観的に解明されていないのが現状です。
これに対し小西准教授は、DNA配列情報を数字の0と1の組み合わせに置き換える統計的手法の一つ「ダイレクトPCA」手法を確立し、瞬時にその株全体を再現することに成功しました。これにより過去の流行歴がなく、新たに流行する可能性の株をより正確に客観性の高いデータで予測することが可能になります。翌年の流行株が分かることにより、カイコなどを使う新たな製造法を用いれば、従来の鶏卵では短期間での量産が難しいワクチンを、あらかじめ大量に製造することも可能になります。
本研究成果は、2019年12月17日付け、Nature出版グループの国際学術誌「科学レポートScientific Reports」に掲載されました。
〇論文の掲載ページ
Nature出版グループの国際学術誌「Scientific Reports」にリンク
『直接PCAを使用したインフルエンザH1ウイルスの進化の再評価』
記者会見の様子(県庁)
紹介していただいたメディア(※12月17日現在)
・AAB秋田朝日放送 トレタテ! ・ABS秋田放送 ニュースevery
・AKT秋田テレビ
・秋田魁新報 ・朝日新聞 ・河北新報 ・読売新聞
・日本経済新聞 ・産経新聞