本学大学院生が日本農芸化学会で学生優秀発表賞を受賞!!
この度、生物生物資源科学研究科 生物資源科学専攻 博士後期課程3年の井田 美帆さん(応用生物科学科/植物機能グループ) 【指導教員:水野 幸一 教授[植物代謝化学]】が、福島大学で開催された「日本農芸化学会東北支部第159回大会」で研究発表を行い、学生優秀発表賞を受賞しました。前回大会に引き続き、2年連続での受賞です。おめでとうございます!!本研究成果は、Elsevier社が出版する英国の国際学術誌、
「Biochemical and Biophysical Research Communications」に掲載されました。
受賞した井田 美帆さん
芳香成分の含量を高めた高付加価値なコーヒーを開発!!
他学科の教員らからもサポートを受け研究を推進
本研究に貢献した応用生物科学科4年の島田旭さん
受賞情報
☆発表タイトル
『コーヒー由来テルペン類配糖化酵素の基質選択に係る領域の探索』井田美帆 川上寛子 水野幸一
☆研究要旨
植物は様々な化合物を生成し、その多くは植物自身の生体維持や生長、生存に関与しています。その中でもテルペン類は身近な植物に多く含まれる二次代謝産物の一つです。これらは食品や飲料に広く用いられている香料の原料であり、それらの美味しさや品質に大きく関与していることから、産業的にも重要な天然材料と言われています。テルペン類は、植物体内で生合成された後、速やかに大気中へ放出されますが、一部は”配糖体”として植物体内に蓄積していることが知られています。この配糖体は、UGT(UDP-グリコシルトランスフェラーゼ)と呼ばれる酵素により形成されます。私たちの研究室では、コーヒー由来UGTを明らかにすることで、他の成分はそのままに、「香り成分の含量を高めた高付加価値なコーヒー」の開発に繋げられるのではないかと期待して研究を進めています。私は、コーヒーから初めてテルペン類の配糖体形成に関わるUGT遺伝子を単離することに成功し、この成果を学術雑誌の投稿論文としてまとめました。今回の学会大会における発表では、これに加えてUGTの中でも特にテルペン類の配糖化に重要なアミノ酸を特定することを目指した研究内容について報告しました。☆受賞コメント
昨年度に引き続き「日本農芸化学会東北支部第159回大会」にて、学生優秀発表賞をいただくことができ大変光栄に思います。このような賞をいただけたのは、日頃から手厚いご指導およびご助言をくださる水野幸一先生をはじめとする応用生物科学科 植物グループの皆様のおかげです。また、分析に関しては特に生物生産科学科の川上寛子先生から多くのご指導をいただきました。また2年連続受賞ということで、本学大学院での研究活動が自身のプレゼンテーション能力の向上につながったと実感することができました。今後もさらなる研究成果に繋げられるよう、日々研究に尽力していきます。☆論文情報
論文タイトル
Gene isolation and enzymatic characterization of UDP-glycosyltransferases of terpene glucoside biosynthesis involved in linalyl-glycoside accumulation in Coffea arabica雑誌名
Biochemical and Biophysical research Communications掲載URL
https://doi.org/10.1016/j.bbrc.2024.150694著者
Miho Ida, Hiroko Kawakami, Kazuya Fukuhara and Kouichi Mizuno[参考]:令和5年度日本農芸化学会東北支部第158回大会で学生優秀発表賞を受賞
指導教員の水野幸一教授と
後輩達にとって井田さんは憧れの存在!!