本学教員が「東北地方発明表彰」&「秋田県発明展」で受賞!!
木材高度加工研究所の野田 龍 准教授[専門:木材工学]が、令和6年度東北地方発明表彰で「発明奨励賞」、第73回秋田県発明展で「秋田県知事賞/秋田県機械金属工業会長賞」を受賞しました。発明名称 「熊忌避杭(特許第6987179号)」
発 明 者 秋田県立大学 木材高度加工研究所 野田 龍 准教授/株式会社ウッディさんない 森岡 吉己 営業課長
野田准教授のコメント
研究成果がこのような形で評価されたことを大変うれしく思います。この研究は、私が秋田に着任した当時、以前からの知り合いと飲んでいる中で、「山の中に設置しているベンチや標識板といった木製構造物がクマにやられる。何とかできないものか?」といった話題からスタートしました。とはいえ、私自身、クマの専門家ではありませんので、このとき一緒に飲んでいた(株)ウッディさんないの熊谷誠喜さんと一緒に、まずはクマの生態に詳しい方々へヒアリングし、クマが好む食べ物、嫌いな食べ物、クマの習性などを把握することから始めました。その後、秋田市大森山動物園や秋田県自然保護課、横手市農林整備課の関係者、当時研究室に在籍していた学生や県内の果樹園の方々らのご協力をいただき開発したのが、この熊忌避杭になります。クマの行動範囲が拡大する中、人との接触を防ぐ予防策の一つとして、本製品をさらに忌避効果の高いものとなるよう、また、クマ以外の害獣対策への用途展開も進めていきたいと考えております。
[左]木材高度加工研究所 野田 龍 准教授 [右]株式会社ウッディさんない 森岡 吉己 営業課長
令和6年度東北地方発明表彰
東北6県の各地域協会と公益社団法人発明協会が主催。各地方における発明の奨励・育成を図り、科学技術の向上と地域産業の振興に寄与するため、各地方において優秀な発明、考案、又は意匠を完成、または発明等の実施化に尽力、発明等の指導、育成、奨励に貢献された方々の功績を称え顕彰しています。令和6年度東北地方発明表彰受賞者名簿はこちら(公益社団法人発明協会ウェブサイトへリンク)
第73回秋田県発明展
秋田県、秋田県発明協会及び(公財)あきた企業活性化センターが主催。県民の皆様の発明工夫に対する関心を高めるとともに、次代を担う児童生徒の皆様に、発明工夫の楽しさと創造する喜びを体感していただくため、「秋田県発明展」を開催しており、出展された作品の中から、特に優秀な作品として42点を決定し表彰しています。第73回秋田県発明展受賞者名簿はこちら(秋田県庁ウェブサイトへリンク)
動物忌避用杭
熊と人間の生活域を区分けするため、熊が嫌がる成分を打ち込んだ木製のくいを、横手市の木工メーカー「ウッディさんない」と共同で開発。全国的にクマによる人身被害や農産物の食害が問題となる中、クマが嫌がる唐辛子などの成分を染み込ませた木栓を打ち込んだくいで、人とクマの生活圏のすみ分け、人身被害や農作物被害の軽減が期待されています。
熊の獣道を遮るように設置された忌避柵=横手市の果樹園